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タイのアレルギー、喘息、免疫学分野の専門家団体であるタイ・アレルギー/喘息/免疫学会は2026年1月11日、血液検査による「IgG検査」を用いていわゆる“隠れ食物アレルギー”を診断することについて、科学的根拠が乏しく、健康被害につながるおそれがあるとして注意を呼びかけました。
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近年、タイでは「隠れ食物アレルギー」を調べるとして、食品に対するIgG(免疫グロブリンG)の値を測定する民間検査が広く宣伝されているとのこと。しかし同学会によると、食物アレルギーの診断に用いられるのはIgEであり、IgGは診断指標にはならないとしています。
学会の説明では、IgGは特定の食品を日常的に摂取することで体内に作られる正常な免疫反応であり、IgG(特にIgG4)が高いことは、むしろ体がその食品に「耐性」を持っている可能性を示す場合もあるといいます。このため、IgG検査の結果をもとに「アレルギーがある」と判断することは適切ではないとしています。
また、タイの学会だけでなく、米国や欧州の専門学会も、IgG検査を食物アレルギーの診断や食品不耐症の評価に使用すべきではないという見解で一致しているとしています。科学的に十分なエビデンスがなく、誤った解釈につながるおそれがあるためです。
特に問題視されているのが、IgG検査の結果を信じて複数の食品を自己判断で制限してしまうケースです。学会は、こうした行為が栄養不足を招き、子どもでは成長や脳の発達に影響を及ぼす可能性があるほか、妊婦では胎児の発育に悪影響を与えるおそれがあると指摘しています。成人や高齢者でも、カルシウム不足による骨粗しょう症などのリスクが高まるとしています。
さらに、慢性的な頭痛や腹部症状などをIgG検査と結び付けてしまうことで、本来調べるべき消化器疾患や他の病気の診断が遅れる可能性もあると警告しています。
同学会は、食事による体調不良が疑われる場合には、食事内容と症状を記録した上で、専門医に相談し、皮膚テストやIgE検査など標準的な方法で診断を受けることを勧めています。また、医療的根拠の乏しい広告や検査を安易に信じないよう呼びかけています。
この声明は、タイ国内で広がる健康関連検査の過熱に対し、専門家の立場から冷静な判断を求めるものとなっています。
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