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ここ数か月の間に、バンコクの複数のショッピングモールで転落死する事件が相次いでいます。過去数か月で少なくとも5件の事例が確認されており、いずれも商業施設の高所からの転落だったとされています。
こうした連続性を受け、英字紙バンコクポストは2025年10月8日付の記事で、「これらのケースは、模倣自殺の可能性があるのではないか」と問題提起しました。同紙は、タイ社会におけるメンタルヘルス問題の深刻化と、報道の在り方の両面からこの現象を分析しています。
バンコク・ポストは記事の中で、複数の研究を引用しながら「タイのメディアは依然としてWHO(世界保健機関)の自殺報道ガイドラインを十分に遵守していない」と指摘。自殺の方法を詳細に記述したり、感情的な見出しや刺激的な画像を用いる報道が多く、これが模倣行動を誘発するリスクを高めているとしています。特に若者やうつ状態の人など、精神的に脆弱な層に影響が及びやすいと警鐘を鳴らしました。
さらにSNSの普及により、悲劇的なニュースが瞬時に拡散される現代では、文脈を欠いた情報が「美化」されることもあるとし、国内外の研究でも「無責任な報道と模倣自殺との関連性」が明確に示されていると伝えています。
同紙は、相次ぐ転落死を単なる事件としてではなく、「タイ社会が直面する精神的な危機」の一端として受け止めるべきだとしています。
誰もが孤立せずに助けを求められる環境づくりが必要であり、報道機関には「刺激ではなく理解を促す報道」が求められると呼びかけました。
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