ドローンが導く戦場の目、CIBが開いた“空中の前線”

タイ警察中央捜査局（CIB）は、無人航空機と戦術の訓練を融合させた新たな訓練施設「Drone and Tactical Training Arena」を開設した。これは単なる訓練場ではない。空の静寂を切り裂き、未来の戦術を見据えた“前線”そのものである。

開設式にはCIBトップのチラポップ・プーリデート中将が出席。無機質なコンクリートの空間に、新たな命が吹き込まれた。企業の支援者たちも並び、民間と警察の境界を越えた協働の形がそこにあった。

式典では、世界の頂点に立つ若きドローン操縦士たちが、障害物をかいくぐり、ターゲットを正確に捉えるFPV飛行を披露。まるで鳥の目を得たような滑空の末、標的が無音で“破壊”された。「静かだったかもしれない。だが、誰もが見上げた」と語る者がいたとしても、不思議ではない。

また、特殊部隊「ハヌマーン」「マッチャヌ」「コマンドー」による戦術展示では、ドローンと人間の連携が描く未来の作戦行動が示された。彼らは無人の目を持ち、どこに潜む敵にも“気配”を漏らさぬ。ペイントボールの試合すら、戦術の一部として組み込まれていた。

CIBのドローン部隊は、これまで幾多の重大事件で現場を支え続けてきた。ターミナル21での危機、違法融資組織の摘発、崩落ビルの捜索救助――空からすべてを見下ろし、判断し、命を守る。それは偶然だったのか、あるいは必然だったのか。いま、空の支配を握る者が、地上の安全を決する。

タイ中央捜査局（CIB）
プロフェッショナルで中立、国民と共に。