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タイ東部にある「海外在住タイ人支援調整センター(通称:IMFセンター)」は、カンボジアを拠点とするコールセンター詐欺グループが、日本・インドネシア・ベトナムを新たな標的として活動を広げていると報告しました。タイ人への詐欺が困難になってきたことが背景にあるとみられています。2025年7月16日に PPTV HD 36が伝えています。
この詐欺グループは、タイ国境付近にあるカジノ施設の建物などを拠点としており、以前は主にタイ人をターゲットにして活動していました。しかし現在は、こうした施設から拠点を地方に分散させ、少なくとも8カ所で詐欺活動を展開しているということです。
手口は、SNSなどを使って相手に恋愛感情や投資話を持ちかけ、信頼を得た上で金銭をだまし取るというもので、1人の詐欺担当者が10個以上のアカウントを使い分けているケースも確認されています。
IMFセンターによると、今年7月にはカンボジア国内で詐欺グループに関与させられていたタイ人8名を保護することに成功しました。彼らが滞在していた建物では、1階と2階が詐欺グループの宿泊施設、3階が詐欺の実行拠点として使われていたといいます。
近年はこのような施設に、ベトナム人やインドネシア人、日本人などの外国人が詐欺グループの構成員として働かされている事例も目立つようになっており、外国人労働者を装って人を集め、実際には詐欺行為に加担させるといった実態もあるようです。
元詐欺関係者の1人は、「4カ月間働いても、タイ人を一人も騙せなかった」と証言しており、タイ人の間で詐欺手口が広く知られるようになったことが、標的の転換につながった可能性があります。
こうした中、詐欺グループによって国外に送られ、自由を奪われたタイ人が逃亡を図った上で寺院に身を隠し、IMFセンターに救助を要請するケースも発生しています。保護された人物については、現在関係機関が調査を進めており、今後はタイ特別捜査局(DSI)に引き渡される予定です。
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