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診断書が語ったのは誰の嘘か、CIBが保険をめぐる静かな企みを摘発

2025年7月9日 配信

タイ警察中央捜査局(CIB)は、病室ではなく居間に手を伸ばした。摘発の対象となったのは、診断も治療も受けていない“架空の病人”を集め、保険金を引き出していた一連の詐欺グループ。その中で“動かぬ中心”とされた男が、ついに姿を現した。名を明かす必要はない。彼は、家にいた。ソファに、静かに。



始まりは2021年。ある保険会社が警察に告発した。多数のCOVID-19罹患保険請求に、同一の文書形式、同一のクリニック名、そして“診断書が発行された形跡が存在しない”という矛盾。払い出された金額は200万バーツを超えていた。

調べが進むうち、現れたのがこの男。彼はただ勧めたという。「診断書を偽造すれば保険が下りる」と。用意されたのは紙1枚。それがあれば、体温計は不要だった。彼は成功報酬として、保険金の40〜50%を受け取っていたという。

「本当に病気だった者など、ひとりもいなかった」そう語った者がいたとしても不思議ではない。

容疑者の過去を調べると、銃、不法薬物、複数の前科。だが今回の“犯行”においては、銃声も薬物も必要とされなかった。必要だったのは、熱を装う想像力と、記入済みの診断書だけだった。

それは保険金詐欺だったのか、あるいは社会が生んだ錯覚の制度悪用だったのか。果たして、その真偽を見極められるのは、天のみだったかもしれない。

タイ中央捜査局(CIB)
プロフェッショナルで中立、国民と共に。

 

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