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タイ国立公園・野生動物・植物保全局は2025年7月3日、ミズオオトカゲ(Varanus salvator)の飼育および繁殖に関する方針について、改めて説明を行いました。
ミズオオトカゲは2024年末に官報で「繁殖可能な保護動物」に指定されましたが、それは決して「誰でも自由に飼育できるようになった」という意味ではないと、アッタポン局長が強調しています。自然界から捕まえて飼うことは法律で禁じられており、許可を受けた繁殖施設で生まれた個体に限り、正式な手続きを経たうえで飼育や繁殖を行うことができます。
同局では、ミズオオトカゲを新たな経済動物と位置づけ、農家や事業者の収入源となるよう、合法的かつ持続可能な繁殖を促進しています。その一環として、保護動物の価格や取引に関する制度の整備を進めており、今後は官報での価格公示も予定されています。
繁殖には厳格な条件が定められており、申請者はまず保護動物の繁殖許可を取得している必要があります。また、繁殖地の土地を所有しているか、もしくは所有者から明確な同意を得ていることが求められます。加えて、野生動物保護法(2019年制定)に関連する前科がないことも条件の一つです。
親となるミズオオトカゲは、自然界からの捕獲が禁止されており、必ず許可を受けた繁殖施設から購入しなければなりません。今後、正式に繁殖が行われた場合、その個体を他の認可施設などが購入できるようになります。
繁殖されたすべての個体には、マイクロチップを埋め込むなどの識別措置が義務づけられています。これは、違法な捕獲や自然個体の流通を防止するための措置です。
タイ当局では、「ミズオオトカゲは現在も保護動物であり、無許可での捕獲・飼育・繁殖は違法です」と改めて市民に注意を呼びかけています。
今回の制度整備は、あくまで適正な許可のもとで経済的価値を生み出し、合法的で持続可能なビジネスにつなげることを目的としています。興味のある方や詳細を知りたい方は、平日の営業時間内に国立公園・野生動物・植物保全局の野生動物保護部門までお問い合わせください。
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