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カンチャナブリ県の寺院を摘発 僧侶関与で不法労働者を匿う

2025年6月20日 配信

僧侶のイメージ

タイ西部カンチャナブリ県で2025年6月19日、不法入国した外国人労働者を匿っていた僧院が摘発されました。この僧院は、実際には労働者の一時的な宿泊場所として使われており、僧侶自身が関与していたことが明らかになりました。各報道が伝えています



事の発端は、前日18日の朝、高速道路警察がカンチャナブリ~サイヨーク間の国道323号線を巡回中に、不審な白いSUV車(いすゞ・MU-7)を発見したことでした。車両は市街地へ向かって高速で走行しており、荷重も異常に見えたことから、警察が追跡を開始しました。

車両はその後、カンチャナブリ市内のある僧院に停車しているのが発見されました。現場に踏み込んだ当局は、SUVの後部に、もう1台の白いトヨタのバンと接するようにして駐車されているのを確認。人の移動が行われていると見られました。現場には、50歳の僧侶と44歳の別の僧侶が居合わせていましたが、車内からは労働者の姿は確認されませんでした。

しかし、その後の調査で、僧院内の大きな修行用の部屋にミャンマー国籍の不法労働者34人(男20人、女9人、子ども5人)が隠れていたことが判明し、全員が拘束されました。

また、労働者を僧院まで運んだ25歳のタイ人男もその場で逮捕されましたが、受け渡しのために僧院に来ていた別の運転手(39歳のモン族男性)は逃走に成功したとのことです。

取り調べに対し、僧侶は自らが主導して労働者の宿泊を受け入れていたことを認め、「これまでに20回以上、不法労働者を受け入れてきた。弟子から事前に連絡があり、その都度場所を用意していた」と証言しています。

労働者たちは、ミャンマー国内の複数の都市から移動し、国境沿いのパヤトンズーに集合。そこから自然な地形を利用して国境を越え、タイ側のサンクラブリー郡に不法入国したと話しています。その後、僧院まで徒歩で移動し、最終的な目的地であるバンコク、チャチューンサオ、サムットサコーン、パンガー、サムイ島、またはマレーシアを目指していたということです。ブローカーに支払う「仲介料」は、目的地に応じて1人あたり3万~5万バーツにのぼっていました。

当局は、関与していた元僧侶と運転手の男を、「不法入国者の匿い・支援」の容疑で警察署に送致し、労働者30人を「不法入国」、4人を「滞在期限切れ」の容疑でそれぞれ起訴しました。

今回の摘発により、宗教施設が人身移送の中継地として悪用されていた実態が浮き彫りになり、当局は今後も同様のケースに対する警戒を強める方針です。

 

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