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日本の外務省は2025年5月21日、狂犬病に関する広域情報を更新し、アジアやアフリカを中心に現在も多くの国で狂犬病が発生しているとして、海外渡航者に注意を呼びかけました。特に狂犬病は発症するとほぼ100%が死亡する極めて致命的な感染症であり、感染を避けるためには動物にむやみに近づかないことが重要とされています。
2025年3月には、タイ保健省疾病管理局(DDC)が発表した検査結果により、835件の動物サンプルのうち54件から狂犬病ウイルスが確認されました。感染が最も多かったのは犬で、牛、水牛、猫なども含まれていました。
この状況を受けて、タイ家畜開発局(DLD)は一時的な感染地域を指定し、動物伝染病法に基づく30日間の管理措置を実施するなど、感染拡大を防ぐための対策を強化しています。
保健当局は、野良動物との接触を避けるよう呼びかけるとともに、ペットに対しても毎年のワクチン接種を行うよう、飼い主に強く求めています。
なお、2014年11月にはバンコク都が市内東部およびサムットプラカーン県の一部で狂犬病の動物が確認されたとして、住民に対して野生動物との接触を避けるよう注意を呼びかけたことがあります。
狂犬病ウイルスは、感染した動物に咬まれたり引っかかれたりすることで、傷口から体内に侵入します。潜伏期間は1〜3か月程度ですが、症状が現れてからでは効果的な治療法がなく、致命的となります。
そのため、咬まれた場合には速やかに15分以上、石けんと流水で傷口を洗浄し、医療機関を受診してワクチン接種を受けることが推奨されています。
自然の多い地域への渡航や医療機関が少ない地域に長期滞在する予定がある方は、渡航前に予防接種を受けておくことも有効です。厚生労働省の検疫所ウェブサイトでは、予防接種実施機関の検索も可能です。
外務省:狂犬病に関する広域情報
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2025C061.html
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