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タイで「偽の父親」による国籍不正取得、DNA鑑定で24人の血縁関係否定、24人逮捕

2026年10月28日 配信

タイ国家警察と内務省地方行政局は2026年10月27日、外国人の子供にタイ国籍を取得させるため、タイ人男性を実の父親と偽って出生登録する組織的な不正事件について、容疑者24人を逮捕したと発表しました。DNA鑑定では24人について、登録上のタイ人の父親と血縁関係がないことが判明。捜査全体では1,483人に不正登録の疑いが浮上しています。タイ国家警察広報部が明らかにしました。



今回の摘発は、タイ国家警察と地方行政局が共同で進める「偽のタイ人の父親」を利用した国籍不正取得事件の第3段階にあたります。

捜査によると、外国人の母親が出産した子供について、実際には血縁関係のないタイ人男性を父親として出生登録し、タイ国籍を取得させる手口が使われていました。

不正な出生届の提出には私立病院の職員が関与し、政府職員も出生登録の手続きに加担していた疑いがあります。

警察は今回、8つの病院に関係する24人のDNA鑑定を実施。出生証明書に記載されたタイ人男性と親子関係がないことを確認しました。

逮捕状46件、政府職員や病院職員も摘発

警察は今回の捜査で、関係者に対する計46件の逮捕状を取得しました。このうち31件の逮捕状に基づき、24人を逮捕しています。

逮捕されたのは、父親として登録されていたタイ人男性10人、中国人の父親2人、中国人の母親7人、病院職員1人、政府職員1人、不正登録の対象となった成人3人です。

捜査では、出生登録の虚偽申告や身分証明書に関する法律違反などが問題となっています。

27歳の会社員も対象、23歳の双子は医学部生とプログラマー

今回の事件では、出生登録時の不正が長年発覚しないまま、成人になっていたケースも確認されました。

27歳の男性は、出生証明書にタイ人男性が父親として記載されていましたが、DNA鑑定の結果、実際の父親は中国人男性と判明しました。

男性は大学で工業工学を学び、現在はサムットプラーカーン県の企業に勤務。月収は約3万バーツとされています。

また、23歳の双子の男性についても、登録上のタイ人の父親との血縁関係が否定されました。

双子のうち1人は大学医学部の5年生、もう1人は香港の大学を卒業してプログラマーとして働いており、月収は約5万バーツでした。

登録上の父親となっていたタイ人男性は、現在、麻薬販売事件で服役しているということです。

双子の男性らは容疑を否認し、弁護士を立てて争う姿勢を示しています。

偽の父親になる報酬は5,000バーツ

7歳と3歳の子供に関する事例では、7歳の子供の父親として登録されていたタイ人のバイクタクシー運転手が、5,000バーツの報酬を受け取って中国人の母親と婚姻登録をしたと供述しました。

DNA鑑定では、子供の実の父親が別の中国人男性であることが判明しています。

さらに、関係者の中には機械製造工場など10社の事業を所有する人物も含まれており、警察は名義貸しによる事業運営が行われていなかったかについても調査を進めています。

不正取得したタイ国籍の取り消しへ

タイ国家警察によると、これまでの3段階の捜査で、不正な出生登録の疑いがある人物は計1,483人に上り、関係する病院は8施設に及んでいます。

一連の捜査で逮捕された容疑者は計67人となりました。

当局は、不正に作成された出生登録の取り消しや、取得したタイ国籍の取り消しに向けた手続きを進める方針です。

また、出生登録の不正が、外国人によるタイ国内での資産保有、事業運営、資金洗浄などに利用された可能性についても調査を拡大しています。

警察は、今回27歳の男性が確認されたことから、不正な国籍取得の仕組みが長期間にわたって利用されてきた可能性があるとして、引き続き関係者の摘発を進めるとしています。

※出典:タイ国家警察広報部(2026年10月27日)/タイ国家警察公式サイト「ตัดบทพ่อไทยทิพย์」第3段階の摘発結果