THAILAND HYPERLINKS ไทยแลนด์ ไฮเปอร์ลิงค์ タイ旅行やタイ生活とタイエンタテイメントのポータルサイト

タイ初の小型原子力発電所、2037年の運転開始を目標に検討、投資額最大700億バーツ

2026年10月28日 配信

タイ発電公社(EGAT)は、タイ初となる小型モジュール炉(SMR)を利用した原子力発電所の導入に向け、事業化の可能性を調査しています。タイ原子力平和利用事務局(OAP)が2026年10月27日に発表した情報によると、発電出力は約300メガワット、初期投資額は600億~700億バーツを想定しており、2037年の運転開始を目指しています。



タイ初の原子力発電所、2037年の稼働を目標

今回の計画は、タイ政府が策定を進める新たな電力開発計画「PDP 2026」に盛り込まれているものです。

小型モジュール炉(SMR)は、従来の大型原子炉と比べて出力が小さく、設備をモジュール化して製造・建設する方式を採用した原子炉です。タイでは出力300メガワット級の導入を検討しています。

タイ発電公社は現在、技術の選定や建設候補地、経済性などに関する事前調査を進めています。

ただし、建設が正式に決定したわけではなく、今後の調査結果や政府の政策判断などを踏まえて事業化の可否が検討されます。

電力価格の安定と天然ガス依存の削減を目指す

タイが小型原子炉の導入を検討する背景には、国際的な燃料価格の変動や、国内の電力需要の増加があります。

タイ原子力平和利用事務局は、原子力発電について、天然ガスや石炭による発電と比較して燃料価格の変動による影響を受けにくく、長期的な電力価格の安定に寄与する可能性があると説明しています。

また、24時間安定した電力を供給できることから、工業団地やデータセンターなど、大量の電力を必要とする施設への供給も想定しています。

特に、タイ東部経済回廊(EEC)では産業の高度化やデータセンターの進出が進んでおり、将来的な電力需要への対応が課題となっています。

2050年までに合計9,000メガワットの導入構想

タイ政府が検討するPDP 2026では、2037年に最初の小型原子力発電所を運転開始し、2050年までに合計約9,000メガワットまで発電能力を拡大する構想が示されています。

この計画が実現すれば、タイの電力供給において原子力が新たな役割を担うことになります。

一方、原子力発電所の導入には、安全性の確認や規制制度の整備、専門人材の育成など、さまざまな準備が必要です。

国際原子力機関と協力、安全対策や人材育成を推進

タイ発電公社と国際原子力機関(IAEA)は2026年10月26日、小型モジュール炉の導入に向けた専門会議「Strengthening Thailand’s SMR Pathway: Strategy and Project Implementation」を開催しました。

会議にはタイのエネルギー省や関係機関の担当者が参加し、小型原子炉に関する技術的な知識、安全基準、事業計画、人材育成などについて情報交換が行われました。

タイ原子力平和利用事務局も、タイ発電公社と連携して原子力・放射線安全に関する規制体制の整備を進めています。

タイ初の原子力発電所の実現に向け、今後は技術的な実現可能性だけでなく、安全性や経済性、社会的な理解なども重要な検討課題となります。

※出典:
タイ原子力平和利用事務局(OAP)「小型モジュール炉300MWの戦略分析」(2026年10月27日)
タイ発電公社(EGAT)「IAEAとEGAT、タイのSMR導入に向けた知識・理解を促進」(2026年10月27日)