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掃除機、病院受付で看護⼠と押し問答<本編映像解禁> タイ映画『ユースフル・ゴースト』

2026年7月1日 配信

2025 年、カンヌ国際映画祭<批評家週間>にタイ映画として初選出&グランプリ獲得︕ アカデミー賞(R)国際⻑編映画賞タイ代表にも選出、各国メディアから「ジャンルでは括れない」「驚くほど独創的」と異例の注⽬を集めた映画『ユースフル・ゴースト』(7/10 公開)。 この度、本作のラッチャプーム監督が来⽇、公開記念舞台挨拶に登壇することが決定し、併せて、掃除機が病院受付で押し問答を繰り広げるシーンを捉えた本編映像が解禁されました。

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掃除機とのロマンスは、やがて国家をひっくり返す事件に発展?!
⼈間と幽霊が繰り広げる壮⼤な愛と抵抗の物語

物語の舞台は、粉じん公害が深刻化するタイ・バンコク。最愛の妻・ナット(ダビカ・ホーン)を呼吸器疾患で亡くしたマーチ(ウィットサルート・ヒンマラート)は悲嘆に暮れる⽇々を送っていた。ある⽇、ナットの魂は掃除機に宿るかたちで舞い戻り、ふたたび愛を確かめ合う⼆⼈。その頃、マーチの家族が経営する⼯場では、死亡した従業員の霊が機械に取り憑き、操業停⽌に追い込まれていた。霊に悩まされる家族や社会から拒絶されたナットは、⼯場の除霊に協⼒することで、夫への真実の愛そして⾃らの存在を“役に⽴つ幽霊”だと証明しようとするが……。

タイでは誰もが知る怪談「メー・ナーク・プラカノーン」(死後も現世にとどまり、夫と禁断の愛を深めていった⼥性“メー・ナーク”にまつわる物語)に着想を得たという本作。亡き妻が掃除機に宿って夫の元へ戻ってくるという奇想天外な設定を起点にしながら、記憶と忘却、個⼈と社会、愛と有⽤性といったテーマへと静かに深度を増していく。

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この度、本作を⼿掛けたラッチャプーム監督が来⽇(写真左下)、公開を記念して舞台挨拶に登壇することが決定。公開初⽇となる 7 ⽉ 10 ⽇(⾦)はユーロスペース渋⾕、7 ⽉ 11 ⽇(⼟)は新宿武蔵野館、7 ⽉ 12 ⽇(⽇)はアップリンク吉祥寺と、3⽇間にわたり都内の上映劇場で観客の前に登壇、作品への思いや制作秘話を直接聞くことのできる貴重な機会となる(各回の上映時間や登壇時間などの詳細は、公式および公式 SNS にて発表)。

あわせて解禁される本編映像は、掃除機に憑依した妻が、⼊院中の夫との⾯会を巡って病院の受付でまさかの押し問答を繰り広げる⼀幕を捉えたもの。体調を崩した夫・マーチを⾒舞うため、掃除機に憑依した姿で病院を訪れた妻・ナットは、律儀に受付で⾯会⼿続きをしようとする。しかし深夜のため看護師から⾯会はできないと告げられると、「私は患者の妻です。いつでも会えるはず」と⾷い下がる。さらに「私は妻の霊です。掃除機に取りつきました」と衝撃の告⽩をするも、看護師は「亡くなったなら、もう法律上は妻ではありません」「明⽇の 8 時にお越しを」と、相⼿が掃除機であることなどまるで意に介さず、あくまで規則通りに対応。押し問答の末、受付の椅⼦で静かに朝を待つ掃除機の姿が映し出され、本作ならではのシュールな魅⼒全開の映像となっている。

このシーンについて、ラッチャプーム監督は本作を定義づける重要なシーンであると⾔及。「あの場⾯は私にとってこの映画を定義づけるものだと感じています。というのも、あの場⾯のおかげで、この映画は実は”システムと闘おうとする⼥性”の物語なのだと気づかされたからです。看護師だけでなく、僧侶や警察も彼⼥が夫と⼀緒にいることを認めず、闘わなければなりません。このような官僚主義の不条理さが映画全体のあり⽅を形づくっています」。ナットは夫に会うため、⾯会時間が始まるまで受付で待ち続ける……それは、システムの勝利を意味すると監督は⾔う。「幽霊は抵抗しますが、結局はシステムが勝ちます。システムに同化することでしか幽霊は受け⼊れてもらえません。私はその孤独を描きたかったのです」と語っている。

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幽霊が⽇常に存在する世界で、⼈間社会の価値基準や倫理がいかに恣意的なものであるかを浮かび上がらせると同時に、「記憶すること」がひとつの抵抗ともなり得ることを⽰唆する本作。コメディ、ロマンス、ホラー、SF……様々なジャンルを軽やかに横断しながら、環境問題や労働、政治的抑圧といった現代社会の歪みに鋭く切り込む監督の⼿腕は、アジアのみならず欧⽶の映画祭・批評家からも強い⽀持を獲得した。ジュリア・デュクルノー『TITANE/チタン』の衝撃、ウェス・アンダーソンの鮮やかで緻密な映像美、アピチャッポンの持つマジックリアリズムを引き合いに語られ、「まるでヨルゴス・ランティモスがタイに移住したかのようだ」(Screen Daily)とも評された唯⼀無⼆の味わいをその⽬で確かめてみてほしい。すべてが結びつくラストには、驚きとともに深い感動が待ち受けている。

▷ 主演は Instagram フォロワー1,800 万⼈超え!”絶世の美⼥”の異名を持つアジアの奇跡ダビカ・ホーン

2013 年、“メー・ナーク”の怪談をリメイクし、タイでメガヒットを記録した『愛しのゴースト』でメー・ナーク役を演じて⼀躍スターダムにのしあがったダビカ・ホーン。いまやタイだけではなく国際的に活躍するファッションアイコンとして絶⼤な⼈気を誇る彼⼥だが、今作では「掃除機に宿る幽霊」というさらなる難役を、その圧倒的な存在感と繊細な表現⼒で⾒事に演じきった。共演には、ウィットサルート・ヒンマラート(ドラマ「運命のふたり」「ティーヤイ: ボーン・トゥ・ビー・バッド」)、アパシリ・ニティポン(『デュー あの時の君とボク』『ハッピー・オールド・イヤー』)ら実⼒派が名を連ね、現実と夢のあわいを漂う物語に揺るぎないリアリズムをもたらしている。

▷ 舞台は粉じん公害が深刻化するタイ。“ホコリ”という⾔葉のもう⼀つの意味とは?

カンヌ批評家週間グランプリを受賞した際、「(この作品と賞を)役に⽴つ幽霊もそうでない幽霊も含めて、タイにいるすべての幽霊に捧げたい」とラッチャプーム監督はスピーチした。この 10 年以上、タイでは主に国内の⼤規模産業の影響による粉じん公害への意識が⾼まっている。「粉じん公害が起きるのは当然だ。ホコリでいっぱいの国なんだから」そんなふうに当初は冗談めかして語られていたというが、タイ語の“ホコリ”(埃)という⾔葉には、空中に漂う⼩さな粒⼦という意味の他に、現代のスラングでは⼈間以下の扱いをされる者という意味もある。「声を上げられず、⾃分の⼈⽣を⾃分で決められない、⽀配者階級の意のままに動かされ簡単に消されてしまう⼈々のことです」とラッチャプーム監督は語る。「霊もホコリも厄介者で、本来いるべきではない場所と時間に現れるという点でよく似ています。家の中、テレビ画⾯、机の上……ホコリは境界線など関係なく勝⼿に現れますが、死んだ⼈間が⽣きている⼈間の世界に戻ってきたのが霊です。本来いなくなっているはずなのに時間に逆らってこの世にとどまり抵抗しているのです。こうした意味で(ホコリを取り除くための)掃除機に取り憑いた幽霊というのはアイロニックな存在だと考えています」。

監督:ラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク
1987 年、バンコク⽣まれ。潮州・海南系の出⾃を持つ。チュラーロンコーン⼤学映画学科卒業。現在もバンコクを拠点に、スタジオでフルタイムの脚本家として働き、商業映画やテレビシリーズの脚本を⼿掛けている。脚本執筆の他に、⼤学で映画理論や脚本術を教え、映画批評家としても活動している。2020 年、ベルリナーレ・タレントプログラムに選ばれ参加。短編映画『⾚いアニンシー; あるいはいまだに揺れるベルリンの壁をつま先で歩く』は 2020 年ロカルノ国際映画祭に選出され、国際コンペティションでジュニア審査員賞を受賞。最近ではタイの植⺠地史とポストコロニアルの状況をテーマに、さまざまな⻑さの映画シリーズを作るプロジェクトに取り組んでいる。

 

『ユースフル・ゴースト』

監督・脚本:ラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク
出演:ダビカ・ホーン、ウィサルット・ヒンマラット、アパシリ・ニティポン、ワンロップ・ルンカムチャット、ウィサルット・ホームフアン ほか
2025|タイ語、英語、イサーン語|タイ、フランス、シンガポール、ドイツ|130分|英題:A Useful Ghost|字幕翻訳:橋本裕充
配給・宣伝:SUNDAE(Powered by Filmarks)

© 2025 185 FILMS, HAUT LES MAINS, MOMO FILM CO.

 

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