|
|

タイのラジオ放送事業者 TERO RADIO は、2025年末をもって事業を終了すると発表しました。35年にわたり音楽とエンターテインメントを発信してきたラジオ局が、その歴史に幕を下ろします。
★こんな記事も読まれています★
バンコク都、犬・猫飼育規制の施行延期を検討~無料サービス拡充で「移行期間」を確保
この発表は2025年12月27日に行われたもので、同社は声明の中で、長年にわたりリスナーに支えられてきたことへの感謝を表明しました。そのうえで、近年のメディア消費行動の変化が、事業継続を困難にする大きな要因となったと説明しています。
TERO RADIOによると、従来型メディアを取り巻く環境は急速に変化しており、広告やリスナーの動向もデジタル分野へと大きく移行しています。同社はこうした状況に対応するため、さまざまな取り組みを重ねてきたものの、変化のスピードは非常に速く、事業を続けていくことが難しい判断に至ったとしています。
声明では、これまで放送を支えてきたスタッフやビジネスパートナー、そしてタイ国内外のリスナーに対し、心からの謝意が述べられました。35年間にわたる放送を通じて生まれた数多くの思い出や音楽、リスナーとのつながりは、同社にとってかけがえのない財産だったとしています。
一部報道によれば、タイの広告・メディア業界全体も厳しい局面が続いており、広告費はテレビやラジオ、新聞などの従来メディアから、デジタル媒体へとシフトする傾向が鮮明になっています。こうした業界全体の構造的な変化も、今回の事業終了の背景にあるとみられます。
TERO RADIOは「一つの章はここで閉じるが、誇りを持って前を向き、新たな機会に希望を抱いている」とコメントしています。長年にわたり親しまれてきたラジオ局の終了は、タイのメディア史における一つの節目として、静かに受け止められています。
関連記事
新着記事