両替レート
|
|
2020年にタイ食品医薬品局(FDA)と医療科学局が警告を発した未承認の伝統薬「ジンダマニー粉末薬」が、名称を変えて再び市場に出回っているとして、2025年6月になって当局が改めて注意喚起を行っています。
この薬は「万能薬」と称して販売されており、がん、関節痛、糖尿病など、あらゆる症状に効果があると虚偽の効能をうたっています。しかし、過去の調査では、即効性を装うためにステロイド成分が混入されていたことが確認されており、長期間の服用により骨粗しょう症、胃潰瘍、腎不全、精神症状など深刻な健康被害につながるおそれがあります。
最近では、「ジンダマニー粉末薬(薬草処方)」「薬草ジンダマニー」「ヤーピーボーク(幽霊の教え薬)」など、複数の名前に姿を変えて販売されており、チェンマイ県の村や市場、オンラインプラットフォーム(Lazada、Facebookなど)を通じて流通していることが確認されています。
とくに、長期服用による副作用として、「クッシング症候群」のような顔のむくみ(ムーンフェイス)や皮膚の紫色の亀裂、背中や首のコブ、皮膚の薄化といった症状が報告されており、高齢者を中心に深刻な被害が懸念されています。
当局は「薬の効能を誇張して宣伝し、正規の登録番号(G番号)を偽って表示するなどの違法行為が続いている」として、購入前にはラベルに記載された番号が正規のものかを確認するよう呼びかけています。疑わしい製品や販売者を見かけた場合には、最寄りの保健所や病院、あるいはチェンマイ県保健局(電話053-894742)へ通報するよう促しています。
「ジンダマニー粉末薬は“幽霊が教えた薬”とうたわれますが、信じるべきは科学であって迷信ではありません」――当局は、そう警告しています。
関連記事
新着記事