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タイ警察サイバー犯罪捜査局(SOT)は2025年6月9日、タイとカンボジアの国境問題に関する虚偽の情報をSNSに投稿した32歳の女性を逮捕したと発表しました。
逮捕されたのは、東北部ウボンラチャタニ県に住む女で、フェイスブックでは「Lucky Farm」という名前で活動していました。この女は、「国境付近で爆発があり、複数の兵士が死亡した」「住民に避難命令が出された」など、事実に基づかない内容を繰り返し投稿していたということです。
投稿には多くのユーザーが反応しており、「いいね」やシェアが拡散されていたことから、サイバー警察は捜査に乗り出しました。証拠を収集した上で、6月8日、裁判所から逮捕状と家宅捜索令状を取得し、女の自宅を捜索。本人を逮捕するとともに、投稿に使用されていたスマートフォン(黄色のOppo製A77s)を押収しました。
取り調べに対し、女は「現在は無職で、韓国で働く夫からの仕送りで生活している」と説明し、「以前はバッファロー牧場を経営していたが失敗した」と語っています。また、問題の投稿については「SNSで見た情報を鵜呑みにし、真偽を確認せずに投稿してしまった」と供述し、「収益を目的としたものではなく、カンボジアとの関係について個人的な偏見があった」と話しているということです。
この件について、警察はコンピュータ関連犯罪法に基づき、「国家の安全や公共の秩序、経済、重要インフラに損害を与えるおそれのある虚偽情報をネット上に投稿した罪」で立件しました。今後は正式な起訴に向けて手続きを進めていく方針です。
タイ警察は、「表現の自由を制限するものではなく、社会の秩序と国家の安全を守るための対応である」と説明し、「インターネット上の発言にも責任が伴うことを、すべての市民に改めて認識してほしい」と呼びかけました。
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