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タイ東北部シーサケット県のカンタララック郡にある観光名所「パー・モーイデーン」は、タイとカンボジアの国境付近に位置する絶壁の展望地として人気を集めています。現在、この展望地を含む周辺一帯は、5月28日にウボンラーチャターニー県チョンボック付近の国境で発生した軍関係者同士の事案を受けて、翌日より一時的に観光客の立ち入りが制限されています。6月8日時点でも閉鎖措置は継続中です。タイ政府メディアNNTが伝えています。
「パー・モーイデーン」は、タイ側から眼下にカンボジア領の広大な平原や森林を望める切り立った崖で、幅は約300メートルにおよびます。晴れた日には、真正面にそびえる山の上にある世界遺産・カオプラウィハーン遺跡(カンボジア領)の姿も遠望でき、荘厳な風景が広がります。
この地は、かつてカオプラウィハーン遺跡への入口として利用されていた歴史があり、崖の左手から続く階段を下りると、1500年以上前に作られたとされる古代の浅浮き彫りを見ることができます。日没後には、自然遊歩道で大量のコウモリが飛び交う姿も観察でき、自然と歴史が共存する希少なスポットです。
また、「パー・モーイデーン」は東北地方でも有数の“日の出と雲海”のビューポイントとして知られており、早朝には幻想的な風景を求めて多くの観光客が訪れます。
パー・モーイデーン
タイ当局によると、今回の国境での事案による人的被害や物的損害は報告されていないものの、万全を期すために一時的な閉鎖が続いています。なお、国境から離れたエリアのカオプラウィハーン国立公園内の他の施設は通常通り開放中で、観光客の受け入れも継続されています。
担当者は「安全を第一に考えた措置であり、ご理解とご協力をお願いしたい。状況が落ち着き次第、再開の時期を改めてお知らせします」と述べています。
訪問を検討している方は、今後の状況に関する最新情報を公式発表などで確認するよう呼びかけられています。
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