|
|
タイの隣の国であるラオスのバンビエンで最近発生した事件をきっかけに、密造酒の摂取によるメタノール中毒の危険性が改めて注目されています。バンビエンでは、メタノールが混入したアルコールを摂取した複数の人々が病院に運ばれ、一部の人々が命を落とす事態が発生しました。(参照 ラオス・バンビエンでメタノール中毒発生、観光客6名死亡)
メタノールは「メチルアルコール」とも呼ばれる工業用化学物質で、人間の摂取には全く適していません。しかし、規制のない密造酒や自家製蒸留酒では、この有毒な物質が混入していることが多くあります。
メタノール中毒の初期症状はアルコール酔いと似ており、めまいや軽い多幸感を感じることがあります。しかし、短時間で視覚のぼやけ、呼吸困難、筋肉のけいれん、そして生命に関わる酸性血症といった深刻な症状が現れることがあります。放置すると、視力の永久的な喪失や臓器不全、最悪の場合には死に至る可能性もあります。
メタノール中毒の治療には、メタノールの有毒な代謝を抑制するためのエタノールの投与が行われます。また、血液透析によって血中のメタノールやその副産物を除去することが必要です。これにより生存率が大幅に向上しますが、迅速な治療が求められます。
当局は、市民に対し、密造酒や認証されていないリキュール、自家製のアルコール飲料を避けるよう強く呼びかけています。アルコールを購入する際は、必ず信頼できる合法的な販売店から購入するようにしてください。また、摂取後に異変を感じた場合は、速やかに医療機関を受診することが、深刻な健康被害を防ぐために重要です。
今回の事件を受け、消費者一人ひとりが意識を高め、未然に被害を防ぐことが求められています。
–
▼関連記事
ラオス・バンビエンでメタノール中毒発生、観光客6名死亡
タイの漬け込み酒にメタノール混入、2名が中毒で死亡、2名を逮捕
タイ庶民の酒「ヤードーン」、粗悪品によりバンコクで中毒が多数発生中
関連記事