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警視庁と東京税関は、金塊105キロ(時価およそ8億円相当)をタイから羽田空港に密輸しようとしたアメリカ人の男(37歳)と日本人の50代の男3人を逮捕したと発表しました。2023年7月11日の各報道が伝えています。
警視庁によると4人は2022年9月、タイで購入した金塊を税関の検査を受けずに手荷物として持ち込もうとしました。
アメリカ人の男は、入国時にはアメリカのパスポートを使用し、税関ではコンゴ民主共和国の名誉領事のパスポート(2020年8月発行)を示したため、不審に思った係員がスーツケースを検査し、金塊が発見されました。
■名誉領事のパスポート悪用 金塊約105キロ密輸試みたか 4人逮捕|NHK
■8億円の金塊密輸未遂疑い タイから、男4人逮捕|47NEWS
■8億円相当の金塊をキャリーケース3個に隠し密輸か…消費税逃れ?男4人逮捕|読売新聞
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以下に金密輸の仕組みについて、税関のウェブサイト「Ⅲ.金地金の密輸動向」より抜粋します。
金地金の密輸入は、消費税を申告・納付せずに国内に持ち込んだ金地金を国内の金地金買取事業者に売却することによって、消費税額相当分を利益として獲得することを目的に行われていると考えられます。
例えば、本体価格 500 万円/㎏の金地金 5 ㎏(2,500 万円)を輸入する場合、本来であれば輸入時に税関で 250 万円(2,500 万円×10%)の消費税を納付する必要があります。しかしながら、密輸入を企てる者は、その消費税の納付を行うことなく、金地金を国内に持ち込みます。そうして密輸入した金地金を市中の金地金買取業者が消費税(250 万円)込みの価格で買い取ることによって、密輸入を企てる者は、この消費税相当分を利益として得ることとなります。
金地金の密輸入によって得られた利益については、国外に持ち出され、新たな金地金の購入資金に充てられているようです。そして、このような金地金の密輸入は、多くの場合、組織的に行われていると考
えられます。
一方、金買取店が買い取った金地金は、その後は正規の流通経路に乗ることとなり、国内需要を上回る分は輸出され、国際的な金市場に還流していると考えられます。
このような仕組みで金地金の密輸入が行われているとすれば、密輸入を通じて得られた利益は、犯罪
組織の資金源になっている可能性があると言えます。
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