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第292回 どうすれば良かったのか… -いとたくバンコクサッカー指導記-

2016年7月8日 配信

どうすれば良かったのか… -いとたくバンコクサッカー指導記-

Creer fcの中学3年生は、受験勉強のため6月に行われるGirasole Cup、そして7月に行われるU-15 Creer fc Cupを持ってひとまず”引退”と考えている選手が多い。ちなみにU-15 Creer fc Cupは3月にも行われているのであるが、この大会には受験を終えた選手達が日本への本帰国前に戦う最後の大会という意味合いがあり、選手達のこの大会へ掛ける熱い気持ちを知っているので、試合中何度も泣きそうになってしまう。監督としては失格だよね、でも俺は選手達と一緒に現場で一喜一憂していたいからさ。

このような選手達の大会へ掛ける意気込みの半面、お願いしているレフリーの意識の低さには辟易してしまう。正直監督していても、自身プレーしていても試合前に「怒らないようにする!!」と心に決めてピッチに立つ。でもやっぱり納得がいかない判定があると、選手達が抗議する行為はあまり褒められたものじゃないので、選手達を抑え俺が表立って抗議するようにしている。最近よく使う手は、到底納得していないんだけど「俺はこの様にルールを把握しているんだけど、レフリーの目にはどのように映ったのか!?」と話させる。到底納得していないんだけど、「OK、分かった」と伝えて選手達に説明をする。

ある大会でFK時に壁に入った選手にボールが当たった瞬間に笛が鳴りイエローカードが提示された。「えっ!?」って思ったので、「別に近づいて遅延行為をした訳じゃないし、レフリーがプレーを止めていたんだから、壁を下げるように注意していないんだから、イエローカードはおかしいんじゃない」と抗議したことがレフリーサイドには”好戦的”に映ったようだ。

同大会での入賞を賭けた決定戦、PK戦にもつれ込んだ試合で事件は起こった。”これを決められたら負け”という場面で、GKがライン上でボールを掻き出した様に見えたシーン。見ていた観客も蹴った本人でさえ「入っていない」とジェスチャーしていたんだけど、レフリーはゴールの判定。さっさと試合を終えようとしたので”カチンッ”と来てしまった。レフリーは「入ってた」の一点張り、そしたら控えブースで休憩していた他のレフリーが「完全に入ってたよ」と言い出し…挙句の果てに「もうあっち行けよ」と。周りの目もあるから”駄目だ×2”と思っていたんだけど、キレちゃったねぇ…「ふざけんなっ」ってね。

一度はピッチを後にしたんだけど、どうしても納得いかなかったからタイ語を話せる方に帯同して貰い「選手達は最後の大会と思い臨んでいる。バイト感覚で笛を吹かないでくれ」と伝えた。でも話にならないんだよね、「こいつは前の試合から好戦的だった」とか「何試合も笛を吹くから疲れて見切れない時もある」とか…そういうレベルの話をしているんじゃないんだけどさ。キレるのは良くないことだし、タイ人は仲間を守ろうとする…そのことは重々承知しているんだけど、もう一度同じようなシーンに直面したら、同じ行動を俺は取るんじゃないかな。でもね…数日経った今も”どうすれば良かったのか”ボ~ッと考えてしまう自分がいる。

申しわけなかったのが、勝ったチームの選手達が「何か訳が分からずに…」と話に来てくれたこと。「本当に申し訳ない。選手達は最後の大会と思い臨んでいるから、やっぱり納得いかなかったから抗議したんだ。でもみんなは一生懸命戦って勝利した訳だから…ごめんね」ってね。

冒頭のU-15 Creer fc Cup、今回は7月16日(土)17:30-21:00 Arena10にてナイター開催。是非会場にて選手達の熱い戦いにエールを送って貰えたらと思う。まぁキレることが無い様に”いとたく”は監督に徹することにしようかな。

どうすれば良かったのか… -いとたくバンコクサッカー指導記-

伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand
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