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第151回 どのように感じてどのような感情を持ったか、サッカーノートに書き殴れっ!!

2013年10月3日 配信

2013年10月3日 掲載

「夢追人」のタイサッカー珍道中

 バンコクでサッカー指導を週末のみ始めた頃は、主に中学生を見ていた。毎回のようにコラムで書いているけれど、この年代のタイ人には残念ながら技術では敵わない。今年の4月から本格的に指導し始めた時も、負け試合ばかりであった。だけど…あまり悔しそうに見えなかったんだよね。だから「試合の結果を受けて、どのように感じてどのような感情を持ったか!?ノートでもメールで送ってきても良いから、とにかく今の気持ちを書き殴って来いっ!!」と、世に云う“サッカーノート”って奴を書かせる事にした。

 “サッカーノート”が世間に注目をされ始めたのは、中村俊輔選手の影響あってのことかな。Numberという雑誌で特集もされ、“サッカーノート”自体が付録で付いていたっけ。俺自身が“サッカーノート”を付け始めたのは中学1年生の時。練習試合でCKをニアでダイビングヘッドで合わせた得点を忘れない為に…。そこから発展させて高校では地方新聞の切り抜きなんかも貼り付けるようになった。

 大学への進学、俺はサッカー推薦だったのだけれど、自分のサッカー履歴を提出しなければならず、地方新聞の切り抜き等が貼ってあったサッカーノート自体を高校の顧問の先生に渡した。俺は高校時代、直ぐにレギュラーの座を掴んだ訳ではなかった。しかし通学を共にする友人達が次々とレギュラーの座に着いていたから焦っていたのかな。「何で俺の事を使わねんだっ(怒)、訳わからねぇ」と書き殴っていたページを先生に見られてしまった。先生はこの一文が非常に印象深かったようで、「タクはサッカーノートに…」と今でもネタにされてしまう。

 選手達から提出されるノートを見て、「こいつこんな事を考えていたんだ…、こんな風に感じていたんだ」と新たな発見があり読んでいて本当に面白い。今は「将来…俺ってこんなこと思っていたんだぁ…と振り返る事が出来るから…それはサッカーだけじゃなく、必ず役に立つから」と小学3年生以上の試合に出た選手達には必ず提出させている。週の練習の事についても書いてくる熱心な選手がいる反面で、それでも提出して来ない奴はいるんだけどね…。

 練習中や試合後等に1人1人へ満足のいくアドバイスをすることが出来ない時があり、そのことについて“サッカーノート”を使って伝えたりもしている。基本的に提出してきた選手達全員に一言二言メッセージを書いて返却するようにしているんだけど…これが結構大変な作業なのである。前回コラムで書かせて貰った親友のWutコーチと行動を共にすることが多いのだけれど、指導の合間に子供達のサッカーノートを忙しく記入している。

Wutコーチは元々日本語が話せるが、最近の上達は目覚ましいものがある。殆ど彼とは日本語でコミュニケーションが取れるから、逆に俺はタイ語が上達しないのであろう。「結構忙しいし、大変なんだよね」と彼と一緒にいる時に、ノートを書きながら何の気なしに話してみた。そしたら「それはあなたの趣味でしょっ!!」と返ってきた…“イラッ”とした、趣味じゃねぇし。彼は一体何の言葉と間違えたのであろうか!?


伊藤琢矢(いとたく)

アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand

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