タイ首相、習近平と会談 「カジノ合法化の計画はない」と明言

アヌティン・チャーンウィーラクン首相（内務大臣兼任）は、中国の習近平国家主席との会談で「タイ政府は経済刺激策としてカジノを合法化する計画はない」と明言しました。両国は観光振興やサイバー犯罪対策など、幅広い分野での協力強化を確認しました。2025年11月1日のタイ政府メディアNNTが伝えています。

この会談は韓国で開かれたAPEC首脳会議の際に行われたもので、首相は「タイは国民の力や製品、技術に自信を持っており、ギャンブル産業に依存する考えはない」と説明。合法化に関する法案はすでに停止しており、代わりに中国人観光客の受け入れを積極的に進め、安全な旅行環境を整備する方針を示しました。

習主席はこの姿勢を評価し、中国政府としても自国民のカジノ目的の海外渡航を抑制する方針を示しました。中国はギャンブル産業を社会的に悪影響の大きい分野とみなしており、タイ政府の方針と一致すると述べました。

また、両首脳は2025年に国交樹立50周年を迎えることを確認し、安定と繁栄を共有する関係の深化を誓いました。サイバー犯罪対策での連携強化のほか、タイから中国へのコメ50万トン輸出計画や、年内にタイで開催予定のメコン・ランチャン協力会議への招待についても意見を交わしました。