娯楽施設に潜む闇、デックエンが関与する薬物取引を摘発

タイ警察は2025年10月28日早朝、バンコクとその周辺12カ所で一斉捜索を行い、違法薬物の密売に関与したとみられる男女7人を逮捕しました。押収されたのは覚醒剤（ヤーバー）、アイス（メタンフェタミン結晶）、エクスタシー、コカイン、ケタミンなど複数の種類の麻薬と使用器具です。タイ政府メディアNTB Connextが伝えています。

警察によると、今回の捜索対象には「デックエン（เด็กเอ็น）」と呼ばれる若者グループが含まれていました。デックエンとは、飲み会やイベントなどで客をもてなす“エンターテイナー”を意味するタイの俗語で、食事や会話の相手をするコンパニオンのような仕事を指します。本来は健全な接待役ですが、一部では薬物や売春などの違法行為に関わるケースもあり、警察はそうしたグループが薬物流通に関与していたとみています。

警察はバンコク市内および近郊のナイトクラブやアパートなど12カ所を一斉に捜索し、薬物を所持・販売していたとみられる男女7人を逮捕しました。これらの薬物は首都圏の娯楽施設で販売されていた形跡があり、警察は背後に組織的なネットワークが存在する可能性が高いとみて捜査を続けています。

首都圏警察は、「娯楽施設を拠点とした薬物取引は社会全体に深刻な影響を及ぼす。今後も断固とした姿勢で取り締まりを強化する」として、市民に対し違法薬物に関する情報提供を呼びかけています。