タイ、電波オークションの行方に注目　NBTCが年内に新指針

タイ国家放送通信委員会（NBTC）は、テレビ業界の規制と振興に関する新たな指針について、事務局にパブリックヒアリングを実施するよう決定しました。結果は年内に取りまとめられる予定で、2029年に商業デジタルテレビ事業のライセンスが満了するのを前に、ロードマップ策定に活用されます。2025年9月12日にタイ政府メディアNNTが伝えています。

NBTCテレビ担当のピロンローン・ラマスータ委員は、理事会が「テレビ業界の将来シナリオ」や「規制・振興の在り方」を分析したと説明。これは、技術革新により変化する放送産業の未来を見据えた研究の一環です。

理事会では、既存法の維持か、通信と放送の技術融合に合わせた部分的な改正、あるいは法律全体の見直しといった選択肢を議論しました。また、社会的に有益な番組を奨励するためのコンテンツ評価、事業者や関係者の能力開発、障害者向け技術の導入、ナショナル・ストリーミングプラットフォーム創設なども論点となりました。

特に注目されるのは、現在採用されている「電波オークション方式」を継続するのかどうかです。NBTCは、周波数資源の管理やネットワークインフラ整備、ライセンス制度をめぐり、電波オークションの継続、条件付きオークションの導入、あるいは事業者への直接割り当てといった複数の選択肢を検討しています。

NBTCは事務局に対し、分析結果と提案を国民からの意見募集に付すよう指示しており、年末までにこのプロセスを完了させることで、2029年4月のライセンス満了に備える方針です。