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タイ大手銀行サイアム・コマーシャル銀行(SCB)の経済情報センター(EIC)は、2025年のタイ経済成長率を2.6%と予測しました。これは2024年推定値の2.5%からわずかに上昇する見通しです。輸出の回復、観光業の拡大、そして政府の景気刺激策が成長を支える要因とされています。2025年9月12日にタイ政府メディアNNTが伝えています。
サイアム・コマーシャル銀行のパトリック・プーリエ副社長(金融市場部門責任者)は、世界経済の緩やかな回復や電子産業の循環的改善が、2025年の輸出を1.8%押し上げると説明しました。観光分野も引き続き好調で、2026年はタイに3,280万人の外国人観光客が訪れると見込まれています。さらに、政府の景気刺激策が個人消費を下支えし、公的投資の増加が民間投資を促進するとしています。
一方で経済情報センターは、米大統領選挙や世界各地の紛争といった国際政治の不確実性、中国経済の減速が輸出や観光に影響を与える可能性を指摘。また、国内では景気刺激策の実効性や財源確保への懸念、さらに少子高齢化や競争力低下といった構造的課題もリスクとして挙げています。
サイアム・コマーシャル銀行の上級市場ストラテジストであるワチラワット・バンチュエン氏は、タイ中央銀行の金融政策委員会が2025年末まで政策金利を2.25%に据え置くとの見方を示しました。インフレ率は1.1%と予測され、物価安定を維持しながら景気回復を支援する狙いがあります。米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに動いても、国内の経済状況が異なるため、タイは追随しない可能性があると述べています。
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