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タイ王立灌漑局(RID)は2025年9月8日、チャイナート県にあるチャオプラヤーダムの放流量を毎秒1600立方メートルに引き上げ、午後には1700立方メートルに増加させると発表しました。上流での降雨と流入増加に対応する措置で、最大2000立方メートル/秒を上限に段階的な放流を続ける方針です。
同局水資源オペレーションセンター(SWOC)によると、7日から8日にかけて全国各地で豪雨が観測され、特にペッチャブーン県ブンサムパン郡では166ミリ、ウボンラーチャターニー県ワリンチャムラープ郡で138.5ミリ、ラヨーン県バンカイ郡で131.5ミリの降雨を記録しました。これにより、チー川、ヨム川、ナーン川、チャオプラヤー川、パーサック川、ターチン川の一部や東部沿岸部で越水が発生しています。
全国の大中規模ダムには合計5兆628億立方メートル(貯水率74%)の水が貯えられ、さらに2兆立方メートル余の余裕があります。チャオプラヤー流域の4大ダム(プミポン、シリキット、クウェーノーイ・バムルンダーン、パーサック・チョンラシット)の貯水率は78%で、まだ5400百万立方メートルの受け入れ余力が残っています。
ただし、全国10か所のダム(シリキット、クウェーノーイ、メーモック、フアイルアン、ナームウン、ナームプン、チュラポン、ウボンラット、バンパー、ナリュボディンチンダー)では水位が管理基準を超えており、灌漑局と発電公社が厳重に監視しています。
チャオプラヤーダム下流ではアユタヤ県のセーナー郡やバンバン郡などで水位上昇が見込まれ、局地的に0.3〜1.1メートルの増水が予想されています。堤防補強や避難準備が進められ、すでにアユタヤ県内5郡では3万7千人以上が浸水被害を受けました。
灌漑局は「放流は安全基準の範囲内で調整しており、堤防外の低地住民は警戒を続けてほしい」と呼びかけています。緊急時の連絡は灌漑局ホットライン「1460」または公式サイトで受け付けています。
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