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カシコン銀行(KBank)は2025年8月18日、45歳から利用できる早期退職制度「เกษียณก่อน เกษมสุข(幸せな早期退職)」を発表しました。対象は同年8月1日時点で45〜59歳の従業員で、応募期間は8月15日から10月7日まで、退職日は12月1日付とされています。
同行によりますと、退職者には勤続年数に応じた基本給に加えて、年齢ごとに特別支給金が上乗せされます。45〜49歳には8ヵ月分、50〜54歳には10ヵ月分、55〜59歳には12ヵ月分の給与が支給される仕組みです。

そんな中で英字紙バンコク・ポストは2025年9月1日、この制度が「タイ社会に衝撃を与えている」と報じました。従来、タイでの定年は55歳以上が一般的であり、45歳での早期退職は前例がありません。
同紙によれば、背景にはデジタル化やAIの急速な普及による産業構造の変化があります。特に銀行業界ではバーチャルバンキングの拡大などで人員削減が進み、中小企業も景気低迷や国際的な関税政策の影響で雇用維持が困難になっていると指摘されています。
労働団体からは「労働法に則った十分な補償が必要」との声が上がり、労働者の一部からは「45歳はまだ働き盛りで、退職は生活不安を招く」との懸念も示されています。
一方で、医療や介護、クリエイティブ産業などでは人材需要が続くとみられ、早期退職者がデジタル経済や高齢者ケアの分野に活躍の場を広げる可能性もあると報じられています。
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