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タイ警察中央捜査局(CIB)は、逃亡を続けていた容疑者を、ノンタブリー県の公共エリアで静かに拘束した。対象は、かつて寺の賽銭箱を工具でこじ開け、約1,000バーツの現金を持ち去ったとされる人物──いまや全国指名手配リストに名を連ねていた。
発端は、サムットサーコーン県。赤いバイクが寺の敷地に現れ、黒いヘルメットをかぶった男がゆっくりと本堂に入る。その手には、1本のドライバー。寄進の箱の蓋は静かに開けられ、男は紙幣と硬貨をかき集めた。次に向かったのは参拝所。そこでも同じ手口が繰り返された。合計金額、およそ1,000バーツ。
一時は身柄を確保されたが、裁判所の出頭命令を無視し、保釈中に姿を消す。行方は杳として知れず、CIBは“潜伏先の特定”に全力を注ぐこととなる。「国家的に割くリソースではない」そう考える者がいたとしても不思議ではない。しかし、信仰の場を汚す行為に、線は引かねばならなかった。
追跡は数ヶ月におよび、ついにノンタブリー県パーククレット地区で、対象の現在地を確認。捜査員らは時間をかけて包囲を整え、ついに公共スペースの一角で、男に声をかける。「終わりだ」──そう言ったかもしれない──そして「今度こそ逃げられない」と続けたかもしれない。
それは信仰を裏切った報いだったのか、それとも単なる空腹の代償だったのか。いや、そんな問いなど意味はなさない。
タイ中央捜査局(CIB)
プロフェッショナルで中立、国民と共に。
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