ラチャダーの静寂に響く逮捕の足音、CIBが薬物と銃の宴を終わらせた男を追う

タイ警察中央捜査局（CIB）は、司法の命に背を向けた過去の影を、確かな足取りで追い詰めた。舞台はバンコク・ラチャダーピセーク通りの片隅。かつて薬物と銃が交錯する宴の只中にいた男が、再び捜査線上に浮かび上がった。

すべては2024年末、サムットソンクラーム県アムパワー。約30人の若者が集い、陽気な音楽と共に夜を謳歌していた。だが、その裏には、メタンフェタミンとアイスドラッグ、そして拳銃──いや、模造拳銃とはいえ火薬の匂いを孕んだ機械の存在があった。男はその場で拘束され、然るべき手続きを受けたはずだった。

しかし、時間は流れ、男は再び都市に姿を現す。ラチャダー通り、36番路地。そこにいたのは、件の薬物パーティーの主宰者とされる男。その存在を掴んだのは、CIB傘下の水上警察部隊である。サムットソンクラーム地方裁判所の逮捕状に基づき、静かに、そして確実に、追跡と監視が行われた。

「このまま見逃すわけにはいかない」そう心の中で叫んだかどうかは不明だが、捜査員たちは彼の動きを見極め、機をうかがっていた。そして、逮捕状を手に、静かに声をかけた。男は逃げなかった。自らが指名手配中であることを認め、逮捕歴がないことを確認した上で、法のもとへと身柄が預けられた。

それは正義の回収だったのか、あるいは、逃れ得ぬ過去との和解だったのか。いや、そんな問いなど意味はなさない。ただ言えるのは、CIBの歩みが、またひとつ、都市の闇に灯をともしたということだけだ。

タイ中央捜査局（CIB）
プロフェッショナルで中立、国民と共に。