タイ保健省、エトミデートを第2種麻薬に再分類

タイ保健省は、新たな大臣告示を通じて、「エトミデート（Etomidate）」を麻薬法に基づく「第2種管理薬物」に再分類しました。この変更は、違法な製造や乱用の増加、特に電子タバコ液への混入などの事例が報告されていることを受けての措置です。告示は官報に掲載された日から30日後に施行されます。2025年7月15日にタイ政府メディアNNTが伝えています。

これまでエトミデートは医薬品として管理され、刑罰も比較的軽いものでしたが、タイ麻薬取締委員会（ONCB）の調査により、国内での不正な合成・流通の実態が明らかとなり、より強力な法的対応が必要と判断されました。

保健大臣秘書官タナクリット・チットアリラット氏によると、同委員会はエトミデートの再分類を提案し、取り締まり体制の強化と乱用の抑制を図ることを目的としています。

特に当局が警戒しているのは、電子タバコ液にこの物質が混入されているケースです。今後、医科学局の検査によりエトミデートが検出された場合、麻薬法およびマネーロンダリング防止法の適用が可能となり、関係する資産の即時押収が行われる可能性があります。

今回の改正により、エトミデートは2022年に公布された「第2種管理薬物大臣告示」の付録に「第45項」として追加されることになりました。これはタイ麻薬法に基づく法的権限により実施され、麻薬取締委員会の勧告に基づいて承認されたものです。

タイ政府はこの分類変更を通じて、合成薬物をめぐる新たな脅威への対応力を高め、電子タバコなどを悪用した違法行為の取り締まりを一層強化していく方針です。無許可での所持や流通は重罪として扱われ、関係資産の没収も含めた厳格な処分の対象となります。