タイの大麻に新規制、医師の処方があれば月30グラムまで購入可能に

街に大麻販売店が溢れ、自由に大麻を購入できるタイ。しかし今後、大麻の購入に医師の処方箋が必須となり、1回あたりの購入量は最大30グラムまでに制限される見通しです。これは、政府が大麻の使用を医療目的に限定し、規制を強化する方針を打ち出したことによるもので、まもなく正式に施行される予定です。2025年6月25日の各報道が伝えています。

タイ保健省のソムサック・テープスティン大臣は6月24日、大麻の使用を医療に限り、将来的には再び「麻薬」に分類する方針を発表しました。「伝統医療」などを理由に緩やかだった現行の規制について、「本来の目的を逸脱している」として、6月23日には医療用に限定する告示に署名しています。

翌25日には、タイ伝統医療・代替医療局のソムルック局長が具体的な運用方針を明らかにしました。新たな告示は同日中に官報に掲載される予定で、施行後は全国に約1万8,000ある許可済みの大麻販売店が新たなルールに対応することになります。

規制の内容によると、大麻の花は医師の処方箋を持つ患者のみに販売が許可されることになります。処方は1回につき30日分までとされ、1日あたり約1グラムが目安となるため、1回の購入上限はおおむね30グラムまでとされています。それ以上の量を購入する場合は、娯楽目的と見なされる可能性があるといいます。

販売店には、処方箋の内容や発行医師の登録情報、患者の症状や使用量の確認・記録が義務づけられ、処方箋自体も保管しておく必要があります。タイ保健省は、規制の順守状況を確認するため、抜き打ちでの検査を実施する方針です。

また、7月9日には処方を行う医師を対象としたオンライン会議が予定されており、販売業者向けの研修も実施される見通しです。今後は、店舗が医師の補助的な立場として、患者の対応を支援する役割を担う可能性もあります。

なお、店舗内での吸引など、大麻の使用行為は禁止されたままであり、今回の新たな告示においても明確に禁じられています。処方箋の偽造による不正購入への対策として、当局は監視体制の強化を進めており、違反が確認された場合には、営業許可の停止や取り消しが行われる可能性があるとしています。

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