2026年7月14日 配信
タイ警察サイバー犯罪捜査局は2026年7月13日、中国系コールセンター詐欺グループによる事件の捜査を拡大し、犯罪収益の資金洗浄に関与した疑いで、中国人2人とタイ人1人の計3人を新たに逮捕したと発表しました。
★こんな記事も読まれています★
タイの国民総所得、2025年は5620億ドル ASEANでインドネシアに次ぐ2位
事件は2025年11月19日に発生しました。当時19歳の男子大学生が、政府機関の職員を装った詐欺グループから電話を受け、偽造された証拠を示されて「犯罪に関与している」などと脅されたとされています。
グループは学生に宿泊施設の部屋を用意させ、1人で滞在するよう指示。さらにビデオ通話を常時接続させ、行動を監視しながら、資産を確認する必要があるとして送金を要求しました。
その後、学生に母親の金庫を壊して中の資産を持ち出すよう命じ、金の延べ棒、金製ネックレス、ダイヤモンド付き宝飾品、金枠入りの仏像のお守りなどを指定場所に置かせました。被害総額は680万バーツを超えたということです。
警察が防犯カメラや関係者の資金の流れを調べたところ、グループ内では、被害者に電話をかける役、資産を回収する役、運搬する役、金や宝飾品を売却する役、得られた現金を暗号資産に交換する役など、役割が分担されていたことが判明しました。
被害品の金や宝飾品は複数の地域で売却され、その代金は暗号資産「USDT」に交換され、資金の出所を隠すために利用されたとみられています。
警察は2025年11月22日、ノンタブリ県パーククレット郡で、建物裏のごみ箱付近に置かれた被害品を回収した31歳の中国人の男を逮捕しました。
さらに捜査を進め、関係者を車で各地へ送迎し、金の売却に関与したとされる31歳の中国人と、グループへの指示や犯罪収益の管理を担当したとされる32歳の中国人について、裁判所から逮捕状を取得しました。
警察はその後、金の延べ棒や溶かされた金など約350万バーツ相当、携帯電話1台、車2台などを押収しました。
また、被害品の売却代金とみられる現金の写真や、21万8350USDT、約720万バーツ相当が送金された記録も確認され、資金洗浄ネットワークとのつながりを示す重要な証拠になったとしています。
2026年6月17日には、パトゥムタニ県ムアン郡スワンプリックタイ地区にある住宅2軒を捜索し、携帯電話2台、純度99.99%と表示された銀とみられる粒状物計100キロ、現金380万バーツ、メルセデス・ベンツ「S500e」1台を押収しました。
押収品の総額は1100万バーツを超えるということです。
その後の分析で、被害品の売却によって得た現金を暗号資産に交換し、犯罪収益の出所を隠していた疑いが強まったことから、警察は改めて裁判所に逮捕状を請求しました。
今回新たに逮捕されたのは、現金を暗号資産に交換したとされる39歳の中国人の男、同様に資金交換に関与したとされる31歳のタイ人の女、21万8350USDTを送金したとされる47歳の中国人の男の計3人です。
警察は3人を、共同での資金洗浄や資金洗浄を目的とした共謀などの容疑で取り調べています。
今回の事件では、これまでに主要容疑者として中国人3人とタイ人1人の計4人が逮捕されました。警察はほかにも複数の関係者について逮捕状を取得しており、詐欺グループと資金洗浄ネットワークの全容解明を進めています。
19歳学生をビデオ通話で脅迫、中国人詐欺グループが母親の金庫を壊させる 資金洗浄容疑で3人逮捕