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タイ・チュラロンコン大学の研究チームは、海に放棄された漁網「ゴーストネット」を再利用し、3Dプリンター用フィラメントへと再生する技術の開発を進めています。海洋プラスチック問題の解決と持続可能な循環型経済の構築を目指した研究プロジェクトです。SD Thailandが2026年2月11日に伝えています。
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研究では、回収した漁網を複数の工程で加工します。まず鉛や汚れ、塩分などを除去する洗浄を行い、その後、粉砕してプラスチック片へ加工。さらに添加剤と混合して再生ペレットを作り、最終的に直径約1.75ミリの3Dプリント用フィラメントへ押出成形します。このフィラメントは、一般的なFDM方式の3Dプリンターに対応しています。
ゴーストネットは海洋生物を絡め取る危険性があるほか、分解されることでマイクロプラスチックを発生させ、食物連鎖への影響も懸念されている海洋ごみの一つです。研究チームは、廃棄物に新たな価値を与えることで回収を促進し、海洋汚染の削減につなげることを目標としています。
プロジェクトは、チュラロンコン大学石油・石油化学カレッジの研究者を中心に進められ、PETROMAT(石油化学・材料技術センター)の支援や民間企業との共同研究のもと実施されています。将来的には軽量で高強度な素材として、自動車や二輪車向け部品などへの応用も視野に入れています。
研究は段階的に進められており、素材の化学的調整や製造プロセスの確立に続き、民間企業との連携による生産拡大や市場テストを行う計画です。また、沿岸地域の漁業コミュニティへの技術移転も検討されており、漁網の回収や前処理を通じた新たな収入機会の創出も期待されています。
この取り組みは、環境保護、産業利用、地域社会への利益を同時に目指す「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の実践例として注目されています。
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