ベラルーシ人モデル、タイで誘拐されミャンマーの詐欺拠点へ～臓器売買組織に転売され殺害か

香港の英字紙「The Standard」は2025年10月17日、ベラルーシ出身のモデル兼歌手 Vera Kravtsova さん（26歳）が、タイ・バンコクでのモデル仕事をきっかけに渡航した後、犯罪組織に誘拐され、ミャンマーの詐欺拠点に連れ去られたうえ殺害されたと報じました。

Kravtsovaさんは9月20日、バンコクでのパートタイム撮影の仕事に応募して来泰。しかし到着後に人身売買組織に拘束され、パスポートと携帯電話を没収されたまま、国境を越えてミャンマー・ヤンゴンに移送されたとされています。現地では、恋愛を装って外国人男性を投資詐欺に誘導する「ロマンススキャム」に加担させられたとみられます。

報道によると、Kravtsovaさんは命令に従わず、ノルマも達成できなかったことから、10月初旬に臓器売買グループに“売られ”、殺害された可能性が高いということです。その後、遺体は火葬され、詐欺グループは家族に対し「遺灰を返す代わりに50万ドル（約7600万円）を支払え」と要求しました。

ベラルーシ外務省は事件の発生を確認し、家族への支援を外交ルートを通じて進めていると発表。母親は詐欺グループとの交渉の末、身代金なしで遺灰を返還してもらう約束を取り付け、ミャンマーに渡航する準備を進めているとされています。

国連の2023年報告書によれば、ミャンマー国内では約12万人が人身売買の被害者として拘束されており、主にベトナム、インド、スリランカなどから連れ込まれ、オンライン詐欺の拠点で「現代の奴隷」として働かされていると推定されています。