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イギリスBBCの新ドキュメンタリー「Thailand: The Dark Side of Paradise」をめぐり、撮影中に警察から妨害を受けたとする制作側の主張が波紋を広げています。これに対しタイ政府は調査を行い、「事実は異なる」と公式に否定しました。
同番組は元「ラブ・アイランド」出演者のザラ・マクダーモット氏が案内役を務め、観光立国タイの「楽園」と「闇」の二面性を描いた44分の作品です。薬物、セックス産業、観光客のトラブルなどが取り上げられ、在タイ英国総領事館が毎年約2000件の英国人支援を行っている事実も紹介されました。
マクダーモット氏はバンコクの歓楽街「ソイ・カウボーイ」で撮影中、警察に「映像を削除しなければ逮捕する」と迫られたと証言。必要な撮影許可を取得していたにもかかわらず、チームは「危うく逮捕されかけた」と訴えました。
観光スポーツ省は即時調査を実施。トンロー警察管轄下の同地区で9月5日深夜に撮影が行われたことは確認しましたが、調査報告では「撮影クルーは許可範囲を超えて別の店舗で撮影を行い、店側の苦情を受けた」と説明。まず警察ボランティアが注意し、その後パトロール警官が仲裁に入り「合意された条件を順守するよう求めただけ」と結論づけました。
当局は「機材や映像の押収は一切なかった」と強調。BBC側の主張とは食い違いが生じています。その後、BBCクルーが公開した映像をめぐり、地元店舗が警察に被害を訴え出たことも確認されました。
観光スポーツ省の事務次官は「タイ政府は国際的な映画制作を積極的に支援している。もし誤解や不適切な対応があった場合は迅速に是正する」と表明。番組の内容そのものには言及せず、あくまで「撮影妨害」疑惑への対応に焦点を当てています。
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