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タイ保健省・健康関連サービス推進局(DHS)は2025年5月3日、全国5万2,717人を対象にした健康調査の結果を発表し、タイ国民の多くが「甘い」「脂っこい」「しょっぱい」といった極端な味付けの食品に依存する傾向が強く、非感染性疾患(NCDs)のリスクを高めていると警告しました。
この調査は2025年2月、保健ボランティアネットワークと連携してオンライン形式で実施されたもので、全国の食習慣の実態を広く反映しています。
甘味への依存:
週3回以上甘い食べ物や飲み物を摂取している人は50.89%。中でも、ミルクティー、アイスコーヒー、フルーツジュースなど加糖飲料を常飲する人は56.22%にのぼりました。
脂質の多い食品:
45.57%が週3回以上脂っこい食事をしており、52.24%が揚げ物や油炒め、ファストフードを好んでいると回答しました。
塩分の過剰摂取:
週3回以上しょっぱい食事をしている人は49.91%。中でも「ソムタム」「ヤム」「ラープ」など、塩味と刺激の強い料理を好む人は65.11%に達しました。
DHSの副局長であるアディソーン・ワンタナサック医師は、調査結果から「国民の栄養に対する理解には深刻な偏りがある」と指摘。特に塩分摂取のリスクを正しく理解していたのはわずか15.15%で、糖分や脂肪に関しては59.54%が認識していました。
また、多くの人が屋台や小さな飲食店で食事をとる際、「味が損なわれるのでは」「失礼にあたるのでは」といった理由から、調味料の量を控えるよう頼むことをためらっていることも判明しました。
調査では、政府が推進する「カーボカウント(糖質管理)」政策や、地域の保健ボランティア(アオソモー)の取り組みに対しても高い評価が寄せられました。回答者の94.86%が「カーボカウントは糖質・炭水化物の摂取抑制に効果的」と回答し、91.85%は「アオソモーの活動が食習慣の改善に役立っている」としています。
DHSでは今後、全国の学校で活動する2万人超の「健康ジュニアボランティア(Gen-H)」と連携し、若年層への啓発活動を強化する方針です。
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