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ブロックチェーン活用にみるタイビジネスのこれから ~ 産業構造改革の一手になるか?

2019年6月24日 配信

ブロックチェーン活用にみるタイビジネスのこれから ~ 産業構造改革の一手になるか?

かつて1980年代の日本製造業を下支えしてきたASEANはその役割を大きく変える段階にきています。トヨタが東南アジア地域のマザー工場の拠点を置いたことでも知られる製造業大国、タイ。この国でも例外なく今、産業構造の転換期を迎えています。IoT、自動化、認知AIといったテクノロジーの進化に伴い、自動車産業やハードウェア生産自体にもイノベーションが求められています。

この記事では今後のタイ進出の参考のため、タイにおけるブロックチェーンをはじめとした最新テクノロジー適用の可能性と将来的な日本-タイの連携に必要性について考えていきましょう。

 

タイランド4.0にみるテクノロジー活用のヒント

IT技術の急激な進歩とそれによる産業構造の展開の必要性を受け、政府は「タイランド4.0」という政策を打ち出しました。

「タイランド4.0」のなかでは以下10業種が重点産業として位置付けられています。

1. 次世代自動車
2. スマートエレクトロニクス
3. 医療、健康ツーリズム
4. 農業、バイオテクノロジー
5. 未来食品
6. ロボット産業
7. 航空、ロジスティクス
8. バイオ燃料とバイオ化学
9. デジタル産業
10. 医療ハブとなる産業

以上が今後、タイが注力する具体的な産業としてあげられています。

文字で眺めるとイメージが湧きにくいので、すでにタイでは国家レベルで取り組みを行っていることに注目してみましょう。

スマートエレクトロニクス」という観点ではIoTセンター技術、データ分析・活用市場の拡大に伴い、より小型で定電圧で駆動が可能なハードウェアの需要が高まっています。そのため従来から得意とするハードウェア産業においては、現在も変わらずタイは国をあげて外資企業誘致を行っています。実際に東芝デバイス&ストレージ株式会社、半導体メーカーのローム株式会社といった日本企業はMOSFETパワートランジスタの生産を国内で行っているのです。

ブロックチェーン活用にみるタイビジネスのこれから ~ 産業構造改革の一手になるか?

また、大いに注目したいのはタイにおける「ブロックチェーン」の活用です。

ブロックチェーンとは分散型台帳技術、または、分散型ネットワークとも呼ばれ、金融やビットコインの分野でデータの書き換えや虚偽を防ぎ、一貫性、安全性を保つシステムのことです。この技術は「破壊的なイノベーション」として金融分野以外にも広く活用され「タイランド4.0」にも大きく貢献すると考えられています。

実際にタイのサイアム商業銀行は、最先端の技術革新としてブロックチェーンを採用しています。データの認証と保護の信頼性向上、決済手続きの簡略化と手数料の削減を目的とした取り組みです。1907年タイ王室勅令で作られた伝統的な銀行がこのように最新テクノロジーの取り組みを進める意義は、他産業へも広がることが大いに期待されています

ブロックチェーンはペーパーレス化を進め、透明性の高い取引を実現します。そのため金融だけではなく、貿易 / ロジスティクス、食品トレーサビリティ(農作物 / 畜産)、医療分野のデータ管理等多くの産業での活用にむけて開発が進んでいるのです。

こうした広がりを期待して、サイアム商業銀行の公式サイトでも2016年には2億1,000万ドル(約227億円)相当だったブロックチェーンの価値は、わずか5年で約10倍の2021年に20億ドル(約2,160億円)に上昇すると予想しています。

ブロックチェーン活用に向けた第一歩は、電子化です。

日本貿易振興機構(JETRO)のビジネス短信によると、2019年6月12日、ASEAN事務総長とASEAN日本人商工会議所連合会(FJCCIA)の対話が実施されたといいます。この会議のなかでASEAN事務局のモハマド・シャロニ貿易円滑化課上級職員によれば、当面は取り組み中のASEAN物品貿易協定の電子原産地証明書(電子フォームD)およびASEAN通関申告書類、植物防疫証明書の電子化の投資回収を優先するとのこと。

一方で同会議内で、2019年内には電子フォームDのASEAN域内運用が広がるとの報告があったことからも、貿易や食品トレーサビリティにおけるブロックチェーン活用に向けたプラットフォーム準備は着々と整えられていると考えてよいでしょう

このようにブロックチェーン技術ひとつをとっても、「タイランド4.0」であげられる産業の多くにイノベーションを起こす可能性を持っています。

しかし、今後の産業構造をテクノロジー適用によって変えるためには、電子化、データプラットフォームの構成をはじめとして人材育成などに至るまで、足元から固めていくべき地道な課題が多いという現状です。

かつて「日本の雁行型経済」と呼ばれたタイでしたが今や日本と横一線に並び、ともにインド、中国を追う立ち位置にいる状況です。

タイ、日本の両国がテクノロジー活用に向けた課題を解決するべく、ビジネス進出を通してノウハウやアイディア、投資によるサポートを継続することが求められています。