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【タイ高速鉄道】日本の国際協力銀行、EEC路線を支援検討

2019年3月10日 配信

2019年3月9日に報じた、タイ高速鉄道のうち中国政府が「一帯一路」の一環だとしているEEC路線について続報です。

中国政府「タイでの日中協力事業は一帯一路の一環」、日本政府は否定



日本の政策金融機関である国際協力銀行(JBIC)は今週木曜の2019年3月7日、タイ政府と、タイ高速鉄道のEEC路線などへの融資を協議しました。タイ大手英字メディアのNationが以下のように伝えています。

Japan bank reaffirms high-speed rail backing(日本の金融機関、タイ高速鉄道への融資支援を再確認)|Nation

報道によると、3月7日の協議には、タイ政府側はプラユット首相、ソムキット副首相が参加、日本の国際協力銀行(JBIC)は前田匡史総裁が参加して、タイの首相官邸で実施されました。

協議後、タイのソムキット副首相は「日本の国際協力銀行(JBIC)は、日中協力を背景にした、EECを含む地域への大規模な投資を支援するための資金援助をするという方針」だと語りました。

これにはタイ高速鉄道の所謂「EEC路線」を含みます。この路線はバンコクのドンムアン空港、スワンナプーム空港、ラヨーンのウタパオ空港の3つの空港を結ぶ路線で、融資の対象はこの路線の、総額2240億バーツの高速鉄道建設プロジェクトです。

協議はこの後も、引き続きタイ政府と日本の国際協力銀行(JBIC)とで実施される予定です。

タイ:ソムキット副首相 大阪でのタイ投資セミナー講演の折 写真:PJAニュース

プラユット首相は、タイ政府はこのタイ高速鉄道プロジェクトを支持しており、EECエリアがタイの製造業の拠点となる事を語った上で、このEECエリアでは日本が最大の投資国だと語りました。

プラユット首相は「以前から日本はタイと、タイ国内に教育機関を設立するプロジェクトでも協力しています。この教育機関や教育センターは今後EECエリアにも支部を作る事が期待されています。」と語りました。

報道されている概要は上記の通りです。

この日本の国際協力銀行(JBIC)の前田総裁との3月7日の協議については、タイ首相官邸も発表をしています。

この発表の中でタイ首相官邸は、タイ高速鉄道のEEC路線は日中協力を背景とした路線であり、このタイ高速鉄道のEEC路線への融資に日本の国際協力銀行(JBIC)が主導的役割を果たす事に感謝すること、EECはタイ製造業の中心となる事が見込まれており、日本はこのEECエリアへの最大の投資国であること、協議ではプラユット首相はタイでの人的開発についても協議をした事を発表しました。また、日本の国際協力銀行(JBIC)の前田総裁はプラユット首相へ、アセアンの議長としての役割を称賛し、日本がアセアン地域とともに、協力が推進されていく事を期待すると語ったとしています。

PJAニュースの以下の過去記事の通り、タイ高速鉄道の中で実現性が高いEEC路線も、政治主導で日中協力事業となった事で、どうなるか推移に注目が集まっていますが、日本の政策金融機関である国際協力銀行(JBIC)が前田総裁まで来泰して交渉しており、融資に前向きである事が伝えられました。

タイ高速鉄道で唯一実現性の高いEEC路線、政治と現実に隔たり|PJA NEWS

融資規模も具体的に2240憶バーツとタイメディアで報道されていることから、具体的な融資額の落としどころを早く見つけたいという思いも窺えます。

一方で日本人としては、EECエリアの開発が進むのは嬉しいものの、日本の政策金融機関である国際協力銀行(JBIC)が大規模な融資をしてタイ高速鉄道のEEC路線を実現するなら、中国政府に「一帯一路」の一環だと位置付けられたままで実施するのではなく、タイと日本の協力の為のプロジェクトとして、実施して欲しいと思います。

できれば高速鉄道も中国の鉄道を輸入するのではなく、日本の高速鉄道を日本企業が導入してくれるのが良いのですが、現状の交渉内容だと、これはかなわなそうですね。

現状、このタイ高速鉄道のEEC路線は以下の過去記事の通り、タイの有力財閥であるCPグループが率いるコンソーシアムが最低価額を応札し、タイ国営鉄道(SRT)との交渉をしており、次回は3月19日に交渉の予定となっていますが、今だ折り合いがついていません。

【タイ高速鉄道】中国との路線、2つ目11kmの建設契約をタイ企業が締結

タイ高速鉄道計画ではバンコクのドンムアン空港、スワンナプーム空港、ラヨーンのラヨーン空港の3空港を結ぶ、いわゆる「EEC路線」について注目が集まっていますが、タイ国営鉄道(SRT)は昨日、同路線についてタイ有力財閥のCPグループ率いるコンソーシアムとの協議を、3月19日に延期した事を語りました。

同コンソーシアムは最低価格で応札しましたが、タイ国営鉄道(SRT)側の要望と、内容がいまだに折り合いがつかず、協議は遅れています。CPグループのコンソーシアムとの契約がまとまらなかった場合、次に応札額を出しているBSRジョイントベンチャーが交渉に入る見込みです。

CPグループとの交渉がまとまらなかった場合、次はBSRジョイントベンチャーが交渉に入るとしています。これはタイのバンコクのBTSなどが中心となった企業グループとなりますが、いずれにしても、日本が主導して進めるというものとはならないと見込まれます。

日本の国際協力銀行(JBIC)との交渉も続くタイの高速鉄道の今後の展開に、注目が高まります。

参考)日本の国際協力銀行(JBIC)ウェブサイト