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第97回 沢山の方々に見守られ…02.24 引退

2013年2月26日 配信

2013年2月26日 掲載

「夢追人」のタイサッカー珍道中

特に目立った戦績の持ち主でもなく、サッカーの技術が優れていた訳でも無い…そんな自分に”引退セレモニー”の場を提供してくださった、そして会場に足を運んでくださった沢山の方々に、「感謝」しております。

 イベントは、クリニック(サッカー教室)から始まり子供から大人まで溌剌としたプレーを披露してくれた交流戦。チアダンスは僕へのオリジナルバージョンでエールを贈ってくれました(チアダンスは娘が出演…と共に端っこでサプライズダンスを披露した家内に驚いてしまいました)。引退試合に参加してくれた選手達やタイサッカー関係者の方々、有難うございました。

セレモニーでは、タイで活躍する(同期で、僕が勝手にライバル視している)丸山さんとファジアーノ岡山の木村社長からサプライズメッセージを受け取りました。”絶対泣かない”と心に決めていたのですが、やっぱり号泣してしまいました。

ファジアーノ岡山の木村社長、僕は友人として知り合ったので木村さんと呼んでいるのですが、木村さんからの手紙は僕の選手生活の全てが記されているように感じました。そこで今回のコラムは木村さんからの手紙を掲載させていただき、”いとたく”がどんな選手だったかを知って頂ければと思います。

伊藤選手と初めて会ったのは、後輩の結婚式でした。試合のあと結婚披露宴に駆けつけた彼が、来賓最後のスピーチをしたのですが、圧倒的な迫力が印象に残りました。サッカー選手としても、アマチュア日本最強の佐川急便のディフェンダーとして活躍しており、2004年の天皇杯では、川崎フロンターレの怪物ジュニーニョに殆ど仕事をさせませんでした。

2006年に、僕が故郷である岡山からJリーグを目指すクラブを立ち上げることになりました。ファジアーノ岡山は、当時既に中国地域リーグに属しており、それなりのチーム力であったのですが、現場に聞いてみると、屈強なセンターバックが必要ということがわかりました。自分の持つルートで色々と探し、良い選手に何人か出会えたのですが、何かが足りない。その何かとは、ハートの強さと熱さでした。伊藤選手は日本フットボールリーグで活躍しており、難しいのはわかっていたのですが、思い切って岡山入団を誘いました。

本人は悩んだと思います。しかも、奥様と生まれたばかりのキラリちゃんがいました。住んだことのない岡山に来てくれたこと、本当に感謝しています。

それからの活躍は見事なものでした。サッカー界では最も厳しいと言われる地域リーグから日本フットボールリーグへの昇格、そしてJリーグへの昇格と、伊藤選手を中心にクラブは大きな歴史を刻むことができました。そのあと北九州に移籍した伊藤選手は、なんとJリーグ初出場した時の年齢が史上最も高いという日本記録を持っています。更に日本を離れタイでプレーすることになり、38歳まで現役を続けられたこと。これは、家族の支えと本人の努力の賜物であります。

さて、ここからはいつも呼んでいるように琢矢と呼ばせてください。僕だけでなく、多くの岡山サポーターが、おじさんになっても自分の夢を追いかける琢矢の姿に、自分を重ねていました。たくさんの一生忘れることのできない夢を見させてもらいました。躍動する背番号4、今でもそのユニホームは、僕の机の横に飾ってあります。厳しいプロの世界に誘った責任を今もなお、ずっと感じています。しかし、こちらの期待以上の活躍を見せてくれ、そしてフットボーラーとして、人はここまで成長できるんだということを身を持って示してくれた琢矢に、心からの敬意を表します。

今日そちらに行くことはできませんが、引退式をして下さるなんて、本当に琢矢は幸せ者です。自分を支えて下さった皆さんに感謝の気持ちを忘れず、そして誰よりも琢矢の活躍を願い支えてくれたキョン(家内)と、愛する家族のために、これからの人生を生きてください。

  今日お集まりの皆様、偉大なるフットボーラーが今日、遂にスパイクを脱ぎます。どうか、我々岡山サポーターの分まで、盛大な拍手で送り出してあげて下さい。本当に、有難うございました。

ファジアーノ岡山フットボールクラブ代表 木村 正明


伊藤琢矢(いとたく)

アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand

「夢追人」のタイサッカー珍道中

泰日蹴球橋プロジェクト

[日時]
2013年2月24日(日) 朝8時30分から昼12時まで
[場所]
ARENA10
Thonglor soi10, Bangkok 10110
[入場料]
無料
[ウェブ]
http://registathailand.blog.fc2.com/
[お問い合わせ]
クリニック参加希望、イベントに関するお問い合わせなど
itotaku24@yahoo.co.jp

「夢追人」のタイサッカー珍道中

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