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第89回 いつかこの場所で契約を勝ち取って…

2013年1月24日 配信

2013年1月24日 掲載

「夢追人」のタイサッカー珍道中

 ラチャダーにある”レムチャルーン”に行ってきた。値段もそこそこの高級タイ料理屋さんである。レストランの中は凄く綺麗で、料理の味も美味しかった。ちょっと贅沢しちゃったなぁと思った。
俺の代理人だったタイ人を通してタイに挑戦にくると、ラチャダーにあるサービスホテルにいったん集められる。そこを拠点に「今日はどこどこのチームの練習に参加しなさい」「明日から地方のチームに挑戦に行くので荷物を纏めといてください」と指示を受けるわけだ。「どこどこのチームが興味を持っているから…」と言われてタイに渡って来るんだけど、実際はそんな話が成立していない事が多く、その日にならないと予定が分からないというのが実際のところ。最悪挑戦出来ない日もある、俺は2日連続で挑戦出来ない日々があり”俺、タイにまで来て何やってんだっ”と頭を冷やす意味でも1時間位バンコクの街をジョギングした事もあった。限られた挑戦期間に空白の一日を作られると、本当に精神的におかしくなりそうになっていた。
俺がタイに挑戦に来た時は、3日おき位に続々と日本人選手がここのホテルに集められていた。俺は”バンコクのチームで…”という条件を出していたから約1ヶ月ここのホテルに滞在していた。異国での挑戦という事を目的とした日本人同士、自然と仲間になって一緒に行動したりするようになっていた。
午前中は昼まで代理人の電話をひたすら待つ事になる。そして午後から指定されたチームの練習に参加してホテルに帰って来る。練習着の洗濯はコインランドリーを使って節約のためにみんなで利用する。洗濯機が回っている間にホテルから15分程のところにあるローカルの定食屋にみんなで食事に繰り出すという生活サイクルだった。
その時に”レムチャルーン”の前を通って定食屋に通っていた。「みんなで契約を勝ち取って、ここ(レムチャルーン)に食事に来て喜び合おうぜっ」と冗談交じりに話していたっけ。そんなレストランに偶然俺は訪れる機会があり、ちょっと昔を思い出してしまった。
何十年後かに、タイに挑戦に来た仲間達と”レムチャルーン”でタイ挑戦の日々を笑い話にした同窓会なんてものを開きたいね。タイだけに限らず、それぞれのフィールドへと旅立っていった仲間達と…。


伊藤琢矢(いとたく)

アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand

「夢追人」のタイサッカー珍道中

泰日蹴球橋プロジェクト

[日時]
2013年2月24日(日) 朝9時から昼12時まで
[場所]
ARENA10
Thonglor soi10, Bangkok 10110
[入場料]
無料
[ウェブ]
http://registathailand.blog.fc2.com/
[お問い合わせ]
クリニック参加希望、イベントに関するお問い合わせなど
itotaku24@yahoo.co.jp

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