|

タイで、犬や猫などのペットを家族の一員として扱う「ペット・ヒューマニゼーション」の流れが広がっています。
家具・生活用品大手のインデックス・リビングモールは2026年8月3日、ペットと暮らす家庭に向けた家具や生活用品の取り扱いを拡充すると発表しました。ペットの毛や汚れを手入れしやすい家具、爪による傷に配慮した素材の商品などを展開し、変化する暮らし方に対応するとしています。
★こんな記事も読まれています★
タイで出家した日本人がデジタル永代供養「SATHU」を開発、NFT墓やLINE安否確認を提供
タイ軍人銀行タナチャート銀行の調査部門「ttb analytics」は、タイ国内のペット関連市場について、2025年に前年比13.2%増の約920億バーツとなり、2026年には約1,010億バーツへ拡大すると予測しています。
市場の成長を支えているとされるのが、ペットを単なる飼育動物ではなく、家族や生活のパートナーとして扱う人の増加です。
食事や健康管理に気を配る飼い主が増え、ペットフードや医療、ケア用品、宿泊、移動用品など、関連する商品やサービスも広がっています。
また、飲食店、カフェ、商業施設、ホテルなどでも、ペットを同伴できる場所を設ける動きが目立つようになりました。ttb analyticsは、ペットを家族として扱う考え方が、個人の暮らしだけでなく社会全体にも広がり始めていると分析しています。
インデックス・リビングモールは、こうした傾向を受け、ペットと人が同じ住居で過ごしやすい商品を強化します。
同社は、汚れを拭き取りやすいソファや、毛が付きにくく傷にも配慮した素材を使った家具などを展開。ベッドや移動用品、食器、玩具など、ペット向けの商品も取りそろえるとしています。
ペット向け商品の拡充は、飼育用品だけを別に販売するのではなく、人とペットが同じ空間で暮らすことを前提とした住環境づくりへ、市場が変化していることを示しています。
タイでは、ペット関連市場が成長する一方、出生数の減少が続いています。
タイ国家統計局によると、2024年の出生数は46万2,240人で、2015年の73万6,352人から大幅に減少しました。同じ2024年の死亡数は57万1,646人となり、出生数を上回っています。
また、2024年の合計特殊出生率は1.0、人口1,000人当たりの出生率は6.7まで低下しました。マヒドン大学人口社会研究所が示す、より新しい人口指標では、合計特殊出生率は0.86とされています。
ただし、ペットを飼う人が増えたことが、少子化の直接的な原因であると示す資料は確認されていません。
出生数の減少には、結婚や家族に対する価値観の変化、生活費や住宅費、教育費、雇用、育児負担など、さまざまな要因が関係していると考えられます。
ペット市場の拡大と少子化は、単純な原因と結果として結び付けるのではなく、単身世帯や子どものいない世帯の増加を含む、タイ社会の暮らし方や家族構成の変化として捉える必要があります。
タイでは今後も、子どものいる家庭だけでなく、単身者、高齢者、夫婦、ペットと暮らす世帯など、多様な生活に対応した商品やサービスが増えていきそうです。
※出典
・ttb analytics「タイのペット市場は2025年に13.2%増の920億バーツ、2026年には1,000億バーツ超へ」
・タイ国家統計局「Statistical Yearbook Thailand 2025」
・マヒドン大学人口社会研究所「Mahidol Population Gazette 2026」
・Index Living Mall「Health-Driven Materials and Product Design Innovation」
関連記事
新着記事