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バンコク・サイアムの中心街で半世紀にわたり人々に愛された映画館「スカラ座(Scala)」の最後の日々を記録したドキュメンタリー映画『スカラ座(Scala)』(監督:アナンタ・ティタナット/タイ/2022年/65分)が、「山形ドキュメンタリー道場 in 東京 2025 秋篇」で上映されます。
上映は 2025年10月18日(土)12:20〜、専修大学 神田キャンパス10号館3階 黒門ホール にて行われます。
同プログラムは「プログラムC」として編成されており、14分の短編『ある女、ある扉』(監督:クリス・オン)との2本立て上映。上映後には、プロデューサーのマイ・メクサワン氏によるトークイベントも予定されています。
🎬 作品紹介
スカラ座 Scala by Ananta Thitanat
タイ/2022/65分/アナンタ・ティタナット DOJO3
バンコクの中心街を半世紀にわたりにぎわした大型映画館・スカラ座が閉館した。かつて劇場に住んでいた監督は、アールデコ装飾やシャンデリアが解体されていく様子を撮影しながら、幼少期の記憶のひだをはがしていく。ベルリン映画祭フォーラム部門で上映。
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スカラ座は、サイアムスクエアで最後まで営業を続けた独立系映画館でした。火災で失われた姉妹館「サイアム」「リドー」に続き、スカラ座も2020年、新型コロナウイルスの影響で幕を閉じました。監督のアナンタ・ティタナットは、かつてこの劇場で働いていた父の娘として、建物が解体されていく様子をカメラに収めながら、自身の幼少期の記憶と向き合っていきます。
『スカラ座』は、香港アジア・フィルム・ファイナンシング・フォーラム(HAF)やタイのプログレッシブ・ムーブメント財団、KohKaeなどの支援を受けて制作され、2023年にはベルリン国際映画祭フォーラム部門でも上映されました。音響は5.1サラウンド、タイ語音声・英語字幕付き、シネマスコープ(2:1)で撮影されています。
「山形ドキュメンタリー道場」は、アジア各地の映像作家が制作中の作品を持ち寄り、山形の温泉地で滞在しながら制作を深めるアーティスト・イン・レジデンス事業。そのスピンオフ企画「山形ドキュメンタリー道場 in 東京」では、完成作品を一般上映する特別プログラムが行われます。
失われた映画館を見つめる娘のまなざしを通して、都市と記憶の関係を問いかける『スカラ座』。タイ映画界から届いた静謐なドキュメンタリーが、東京でスクリーンに蘇ります。
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