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過去2回にわたり、タイから日本への介護帰国に立ちはだかる制度や住まい、そして最大の壁である身元保証人の問題についてお伝えしてきました。最終回となる今回は、帰国後の医療と介護の連携を途切れさせないための、具体的な3つの事前準備について解説します。
・【連載 第1回】タイから日本へ。いざという時の「介護帰国」で直面する3つの壁とは?
・【連載 第2回】帰国時の最大のハードル。住まい探しと身元保証人のリアル
① タイの主治医からの紹介状(診療情報提供書)と処方薬の確保
日本でスムーズに治療を引き継ぐためには、現在の病状や治療歴を正確に伝える必要があります。タイの担当医に依頼し、必ず紹介状(Medical Referral Letter)を作成してもらいましょう。多くの場合、英語での作成となりますが、多くの場合、日本の医師でも英語の紹介状で問題なく引き継いでもらえます(医療機関や医師によって対応に差がある場合もあるため、心配な方は事前に受け入れ先の病院に確認しておくとより安心です)。
また、帰国直後はすぐに日本の病院を受診できない可能性があるため、タイ出国前に少なくとも2〜4週間分の処方薬を多めに確保しておくことが鉄則です。
② 帰国直後の保険の空白期間への備え
日本へ帰国し、役所で転入届(住民票の登録)を出せば、国民健康保険には加入できます。しかし、介護保険サービスを利用するための要介護認定(主に65歳以上の方が対象となる第1号被保険者の制度です)には、申請から結果が出るまで約1ヶ月かかります。つまり、帰国直後は公的な介護サービスをすぐにフル活用できない空白期間が生じます。
この期間を乗り切るためには、全額自己負担で民間サービスを利用するなどの資金的な備えと、段取りが必要です。
③ 帰国前の支援チーム構築
最も危険なのは、日本に着いてから病院やケアマネジャーを探せばいいという考えです。体調が不安定な中での移動は大きな負担を伴います。ご家族が日本にいる場合は事前に動いてもらい、身寄りがない場合は日本の専門事業者等を活用して、帰国する前に受け入れ先の病院(主治医)や担当ケアマネジャー、訪問看護ステーションをあらかじめ決定しておくことが重要です。帰国したその日から、自宅(または施設)で医療・介護ケアを受けられる体制を作っておくことが、安全な帰国の絶対条件となります。

「日本に帰ればなんとかなる」ではなく、元気なうちから帰国時のシミュレーションをしておくことこそが、微笑みの国・タイでのロングステイを心から楽しみ、安心して過ごすための最大の秘訣です。
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【執筆者プロフィール】
久保 渉(くぼ わたる)
アライアンサーズ株式会社 代表取締役。
東京都杉並区を中心に、高齢者の住まい(老人ホーム・賃貸等)探し、自社訪問看護ステーションによ
る医療ケア、身元保証や行政手続きの同行サポートなど、シニアの生活をワンストップで支援する事業
を展開。近年は海外にロングステイ中の日本人シニア層からの「介護帰国・医療帰国」に関する相談対
応・受け入れ支援にも注力している。
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