アヌティン首相、中国・習近平国家主席と会談

タイのアヌティン・チャーンウィーラクン首相兼内務大臣は、アジア太平洋経済協力会議（APEC）首脳会議の機会に中国の習近平国家主席と会談を行いました。2025年11月1日にタイ政府メディアNNTが伝えています。

アヌティン首相は、今後5年間の経済方針を定めた中国共産党中央委員会第20期第4回総会（第4回全体会議）の成功を祝福。さらに、2025年がタイと中国の国交樹立50周年を迎える節目の年であることに触れ、「安定と繁栄の共有ビジョンを共に築く重要な年になる」と強調しました。

両国の協力については、特にサイバー犯罪対策での協調を評価。アヌティン首相は「タイ政府は経済刺激策としてカジノを合法化する計画はない」と明言し、ギャンブル関連法案をすべて停止していることを確認しました。そのうえで、「タイは自国民と製品、そして既存の技術力を信頼している」と述べ、中国人観光客の来訪を歓迎しつつ、安全確保を最優先にする方針を示しました。

これに対し、習主席はタイの政策に理解を示し、「中国は他国の内政に干渉しない」としながらも、中国政府としても自国民の海外カジノ観光を抑制する国内措置を取る考えを明らかにしました。習主席は「ギャンブル産業は社会に負の影響をもたらす」と述べ、両国の立場が一致していることを確認しました。

また、アヌティン首相は中国へのコメ50万トン輸出計画が進展していることを報告。さらに、今年後半にタイで開催予定のメコン・ランカン協力首脳会議への習主席の出席を招請しました。