ナラティワート県のイスラム文化遺産博物館、開館へ最終準備進む

タイ南部ナラティワート県イーニョ郡に、新たなイスラム文化遺産博物館とコーラン学習センターがまもなく開館します。2025年10月18日、サービーダー・タイセート文化相が現地を訪問し、開館式に向けた最終確認を行いました。タイ政府メディアNNTが伝えています。

視察でサービーダー文化相は展示ホールを見学したほか、地域住民や女性グループとの交流、学習中のコーラン教室の視察も行い、イスラム預言者ムハンマドを称える「サラワットの祈り」にも参加しました。南部国境地域における平和と友好の象徴としての意味を込めた訪問です。

同博物館は、サマンミット・ウィッタヤ学校が収集した約70点の古代コーラン写本を保存・展示するために設立されたもので、年代は100年から860年前に及び、タイ、マレーシア、インドネシア、トルコ、イエメンなどの写本が含まれます。建設は南部国境県行政センター（SBPAC）と美術局の支援を受け、総事業費は1億8200万バーツを超えました。2014年から2025年にかけて進められた長期プロジェクトです。

博物館では、タイにおけるイスラム文化遺産の深みと多様性を紹介し、併設のコーラン学習センターでは宗教教育と文化交流の場を提供します。地域の歴史的・精神的な伝統を次世代へと伝える拠点として期待されており、ナラティワート県における新たな文化・教育の観光地となる見込みです。