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アヌティン・チャーンウィーラクン副首相兼内務大臣は、国境地域での安全保障上の懸念が高まる中、タイ全土の各県知事に対して、国境管理と麻薬取締の強化を命じました。対象はすべての陸路国境検問所で、人や物資、違法薬物の越境に対する取り締まりが重点となります。各県は、取り組みの進捗状況を毎月28日までに報告することが義務付けられました。2025年5月19日にタイ政府メディアNNTが伝えています。
内務省の報告によると、2025年2月から3月にかけて、行政機関と治安部隊による合同作戦により、1,100万錠以上のヤーバー(覚醒剤の錠剤)と、1.7トン以上のアイス(覚醒剤の結晶)が押収されました。さらに、2億バーツ相当の資産が没収され、7,000人を超える薬物使用者がリハビリテーション・プログラムへ送致されています。国家公務員による麻薬関連犯罪への関与を防ぐため、引き続き無作為の薬物検査も実施されています。
治安維持の一環として、娯楽施設や学校周辺エリアに対する856件の立入検査が行われ、今後は全国的に月2回以上の定期検査が義務化されます。違法電子タバコ1,000万バーツ分の押収のほか、違法銃器所持で180人が逮捕され、賭博行為に関する摘発では400人以上が起訴されました。人身売買の防止や組織犯罪グループへの取り締まりも引き続き優先事項とされています。
また、不法滞在によって390人、不法入国で186人が拘束されました。地方公務員を含む犯罪関係者のリストは各県および郡の指導者に共有され、監視と捜査が強化されています。
アヌティン副首相は、国レベルおよび地方自治体を含むすべての関係機関に対し、国境検問所での厳格な監視体制を継続するよう求めたうえで、連携の強化と運用面の課題解消に取り組み、持続的な国家の安全と治安の確保を図るよう指示しました。
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