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診察なしで大麻処方、タイ政府が歯科医に警告 事前署名は4つの法律に抵触も

2026年8月17日 配信

タイ政府は2026年8月17日、歯科医が患者を実際に診察・診断しないまま、大麻の処方書にあらかじめ署名する行為について警告しました。政府によると、こうした行為は歯科医師としての職業倫理に反するだけでなく、大麻や歯科医療、医療機関に関する計4つの法律に抵触する可能性があり、確認された場合は厳格に法的措置を取るとしています。

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患者を診ずに大麻の処方書へ事前署名

タイ政府広報局によると、問題となっているのは、歯科医が大麻の処方に使われる書類にあらかじめ署名し、患者一人ひとりを診察、診断、または診療しないまま処方する行為です。

タイでは大麻が「管理対象のハーブ」として規制されており、処方にあたっては所定の書類を使用する必要があります。

政府は、歯科医が患者を診察せずに処方書へ事前署名することは、歯科医療の基準を下回る行為であり、職業倫理にも反するとしています。

4つの法律に抵触する可能性

政府が今回示した関連法令は4つです。

1つ目は、管理対象となっている大麻の花穂などを規制する「タイ伝統医療の知恵の保護・促進法」。

2つ目は、THC濃度が重量比0.2%を超える大麻抽出物を規制する「麻薬法典」。

3つ目は、歯科医の資格や職業倫理を定める「歯科医師法」。

4つ目は、医療施設の運営などを定める「医療施設法」です。

政府は、患者ごとの診察や診断を行わずに大麻の処方書を発行することについて、歯科医師会の倫理規定にも抵触する可能性があると説明しています。

なぜ歯科医が大麻を処方できる?

今回の発表で気になるのが、「そもそも歯科医が大麻を処方できるのか」という点です。

タイでは現在、大麻は医療目的で厳格に管理されており、医療機関や薬局など一定の条件を満たした施設が、許可を得たうえで取り扱う仕組みになっています。タイ伝統・代替医療開発局も、医療用大麻を扱う施設について、医療機関や薬局、ハーブ製品販売店などを対象として示しています。

そのため、歯科医が大麻に関する処方を行うこと自体が今回問題視されているわけではありません。

問題となっているのは、患者を診察・診断することなく、処方書だけを事前に用意する行為です。

タイでは大麻規制を再び厳格化

タイ政府は近年、大麻について医療目的での利用を基本とする方向で規制を強めています。

現在も大麻の花穂は管理対象のハーブとして扱われており、大麻を取り扱う事業者には許可や記録管理などが求められています。新たな制度では、大麻販売施設についても医療機関や薬局など一定の業態へ移行する方向で規制が進められています。

今回の歯科医への警告も、こうした大麻の医療利用を厳格に管理する流れの一つとみられます。

政府は、歯科医が大麻の処方書へ事前署名し、患者を診察せずに処方していることが確認された場合、関係法令に基づいて厳格に対応するとしています。

※出典
タイ政府広報局「歯科医による大麻処方の事前署名、診察・診断なしは4つの法律に抵触する可能性」
タイ伝統・代替医療開発局「管理対象ハーブ(大麻)に関する保健省告示」
タイ伝統・代替医療開発局 医療用大麻部門「大麻に関するFAQ」