TikTokインフルエンサーの女、違法薬物「ゾンビポッド」など販売容疑で逮捕

バンコク首都警察は2025年10月14日午後3時ごろ、SNSで多数のフォロワーを持つTikTokインフルエンサーの女と、その交際相手の男を違法薬物の販売容疑で逮捕したと発表しました。逮捕はバンコク・ラートプラオ地区のコンドミニアムで行われました。

警察によると、押収されたのは以下の通りです。
・「エトミデート」を含むとされる電子タバコ用リキッド113本
・同成分が入った電子タバコ3台（いわゆる“ゾンビポッド”）
・通常の電子タバコ6台
・エクスタシー（MDMA）47錠
・通称「ハッピーウォーター」6袋（総重量約44.8グラム）
・ケタミン1袋（約1.19グラム）

警察の説明によれば、「ゾンビポッド（Zombie Pods）」は電子タバコ型の吸引式ドラッグで、鎮静作用を持つ医薬品成分「エトミデート」が混入されているといいます。エトミデートは本来、麻酔導入剤として医療現場で使われる成分ですが、タイでは「精神作用薬物（カテゴリー2）」に分類され、所持や販売が禁止されています。

首都警察は、クラブやバーなどのナイトスポットでゾンビポッドが流通しているとの情報をもとに捜査を進めていました。その過程で、このインフルエンサーの女がSNSで商品の宣伝を行う一方、裏では違法薬物を顧客に販売していた疑いが浮上。警察は内偵を重ね、交際相手の男とともに現場で身柄を確保しました。

押収された資産（現金・電子機器など）は合計で約48万6,500バーツにのぼるということです。

警察は、2人に対して次の容疑で捜査を進めています。
・麻薬取締法に基づくカテゴリー1薬物（MDMA・ハッピーウォーター）の販売
・カテゴリー2薬物（ケタミン）の不法所持
・税関法第242条に基づく違法物品の隠匿および販売

警察は今後、販売ルートや入手経路の特定を進める方針を示しています。

🔍補足解説：「ゾンビポッド（Zombie Pods）」とは
ゾンビポッドとは、電子タバコ型の吸引式ドラッグで、鎮静成分「エトミデート」を混入したリキッドを使用するもの。吸入後に筋肉の硬直や意識混濁などの症状を引き起こす危険性があります。
タイだけでなく、日本でも2025年5月に指定薬物に追加され、医療・学術目的以外での所持や販売、使用はいずれも禁止されています。「ゾンビたばこ」などの名称で注意喚起を行い、乱用防止を呼びかけています。