タイ国政府観光庁が「Trusted Thailand」認証を導入、観光業の安全基準を強化

タイ国政府観光庁（TAT）は、観光分野における安全基準を引き上げ、旅行者の信頼を高める新制度「Trusted Thailand」認証を導入すると発表しました。試験運用は9月に開始され、まずはホテルや宿泊施設を対象に審査を実施。その後、レストランや観光地、ショッピングモール、百貨店などにも順次拡大していく予定です。2025年8月27日にタイ政府メディアNNTが伝えています。

認証取得には、①一般的な安全対策、②安全な決済システム、③外国語での対応力、④公共交通機関でのアクセス容易性――の4項目を満たす必要があります。基準を満たした施設は「Trusted Thailand」マークを付与され、公表リストに掲載されます。

チャクラポン・タンストティタム観光スポーツ省次官補は、「安全は国家観光政策の最優先事項」と強調。観光地での基準向上、治安当局との連携、旅行者への迅速かつ正確な情報提供など、政府全体で安全確保に取り組む姿勢を示しました。

また、ターパニー・キアットパイブーンTAT総裁は「特に家族連れや一人旅、若年層にとって安全性は旅行先を選ぶ大きな要因」と述べ、今回の認証が中国、日本、韓国、米国、EUといった主要市場におけるタイの「安心・高品質な目的地」としてのブランド強化につながると期待を示しました。

発表イベントでは、観光安全をテーマにしたパネル討論や交通サービスに関するワークショップが行われ、内務省地方行政局、観光局、観光警察局、陸運局、民間企業のGrab Thailandなども参加しました。

観光事業者は9月より専用サイト（www.tourismthailand.org/trustedthailand）で登録可能。認証施設の一覧は公開され、詳細や最新情報は「1672 Travel Buddy」ホットラインからも確認できます。