タイ政府が声明「カンボジアとの国境問題は二国間枠組みで解決」

タイ政府は6月5日16時30分、5月28日に東北部ウボンラチャタニ県チョンボック地区で発生したタイ・カンボジア両軍の衝突を受け、国境情勢に関する公式声明を発表しました。声明では、国際司法裁判所（ICJ）による裁定をカンボジア側が求めていることに言及しつつ、「タイは1960年以降、ICJの強制管轄権を受け入れておらず、現在もその立場を維持している」と改めて強調しました。

声明によれば、5月29日にはタイとカンボジア両国の陸軍司令官同士が会談し、「共同国境委員会（JBC）」「タイ・カンボジア総合国境委員会（GBC）」「地域国境委員会（RBC）」といった既存の二国間メカニズムを通じて問題を解決することで合意済みとのことです。

タイ政府は「最も重要なことは、今回の事案に集中し、問題を拡大させないことだ」と指摘。両国間の関係に不必要な複雑性を加えるべきではないと訴えました。

また、過去26年間にわたりJBC枠組みで多くの前進があったことにも触れ、「タイ・カンボジア友好橋（バンノンイアン～ストゥンボット間）」や、「チャンタブリー県のパックカード国境検問所での新たな国境橋建設」などの具体例を挙げて協力の成果をアピール。

タイ政府は、2025年6月14日に予定されているJBCの会合再開に向けて準備が整っており、カンボジア側にも「平和・安定・相互尊重という共通の価値観を反映した前向きな姿勢を期待する」としています。

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