2026年10月29日 配信

タイ・バンコクで2027年から導入される新型電気バス(EVバス)について、運賃を全区間一律15バーツとする案が浮上しています。バンコク大量輸送公社(BMTA)のキティカーン・チョムドゥアン・チャルウォラポンクン局長が、2026年10月27日付のタイ紙デイリーニュース(Daily News)の取材で、政府の方針次第で検討可能との考えを示しました。ただし、15バーツ均一運賃は正式決定していません。
BMTAは、長年バンコク市民の足として親しまれてきたクリーム色と赤色のノンエアコンバス、通称「赤バス」1,520台を順次退役させ、エアコン付きEVバスに置き換える計画です。
現在の赤バスは全区間一律8バーツで利用できますが、新型EVバスでは15バーツ、20バーツ、25バーツの3段階運賃が想定されています。
そのため、これまで8バーツで移動していた利用者にとっては、最低でも7バーツの値上がりとなり、距離によっては運賃が3倍以上になる可能性があります。
こうした負担増への懸念について、キティカーン局長は、運賃を全区間一律15バーツとすることも検討可能だと説明しました。ただし、実現には運輸省の政策判断が必要となります。
政府が運賃の差額を補助することも選択肢の一つとして挙げられています。
新型EVバスの導入は2段階で進められます。
第1段階では、2027年3月に最初の500台を投入し、5月までに計1,520台を納入する予定です。現在の赤バスが走る60路線で順次置き換えが進められます。
第2段階では、老朽化したオレンジ色のバスなどを置き換えるため、さらに800台を導入します。政府は2027年末までに合計2,320台をそろえる計画を示しています。
新型EVバスはすべてエアコン付きとなり、車いす利用者向けのスペースや乗降用スロープも備える予定です。
BMTAによると、EVバスへの切り替えにより、現在年間約20億バーツかかっている燃料費を約8億バーツに削減できる見込みです。
また、運賃の自動決済システムの導入によって、人件費も年間約9億バーツ削減できるとしています。整備費用なども含め、全体で年間41億バーツ以上の経費削減を見込んでいます。
一方、BMTAには1,400億バーツを超える累積債務があり、運賃を抑えるためには政府による財政支援も課題となります。
なお、EVバスの運賃については、2025年9月に8バーツ据え置きの方針が示されていましたが、2026年9月には15・20・25バーツの段階制運賃案が明らかになっていました。
今回、新たに一律15バーツの可能性が示されたことで、今後の政府の判断が注目されます。
※出典:
Daily News(2026年10月27日)
Daily News(2026年10月27日)
タイ政府(2026年10月10日)
▼関連記事
バンコクの「赤バス」引退へ、EVバス1,520台を2027年3~5月に納入
バンコク路線バス、2026年からノーエアコンバス廃止でEV車両に全面切り替えへ~運賃は8バーツ据え置き
タイ、公共交通など7種類の車両をEV化へ 年間2億1200万リットルの石油削減目指す
バンコクの路線バス、抜き打ち検査で約58%が排ガス基準違反