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タイ政府が注意喚起、炭疽感染のリスク高まる ~生肉の扱いや動物との接触に注意を

2025年5月10日 配信

タイ東北部ムクダハン県で発生した炭疽(アントラックス)感染に関連し、政府は国民に対し、冷静かつ慎重な対応を呼びかけています。現在のところ、人から人への感染は確認されていませんが、生肉の取り扱いや動物との接触によるリスクに対する注意が必要です。2025年5月9日にタイ政府メディアNNTが伝えています。



炭疽は、炭疽菌(Bacillus anthracis)によって引き起こされる人獣共通感染症で、自然界、特に土壌や水の中に存在します。菌の胞子は極めて生命力が強く、感染動物の死骸があった土壌では数十年間にわたり生存すると言われています。

感染しやすいのは牛、水牛、ヤギ、羊などの家畜で、感染すると高熱、衰弱、突然死といった症状が現れます。人への感染経路は主に以下の3通りです。

皮膚感染
 屠殺などで傷口に菌が入ることで感染します。1~7日ほどで皮膚に小さな腫れが現れ、水ぶくれから黒い潰瘍へと進行。放置すると菌がリンパ節や血液に侵入し、敗血症に至る危険性があります。

経口感染
 生肉や加熱不十分な肉を摂取することで腸炭疽を発症。高熱、腹痛、嘔吐、下痢などの症状が現れ、適切な治療がなければ命に関わる可能性があります。

吸入感染
 まれではありますが、感染動物の毛皮や加工現場で菌の胞子を吸い込むと肺炭疽を引き起こします。発熱、咳、筋肉痛、呼吸困難などの症状がみられ、重篤な場合は呼吸不全に至ることもあります。

当局は、感染予防のために「生肉の取り扱い時には手袋を着用し、作業後は手洗いを徹底すること」、また「肉は必ず十分に加熱調理し、認可された信頼できる店舗で購入すること」を推奨しています。

発熱や皮膚の異変、腹痛などの症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診するよう呼びかけています。炭疽は抗生物質で治療可能であり、早期対応が重症化を防ぐ鍵となります。感染の疑いがあっても未発症の場合には、予防的な投薬が行われるケースもあります。

詳細な情報や相談は、保健省疾病管理局ホットライン「1422」まで。

 

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